スタンディングポイント、当社は「面倒くさい会社」

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スタンディングポイント、当社は「面倒くさい会社」

2018年03月15日

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ブランド古着の買取販売店「エコスタイル」を展開するスタンディングポイント(神奈川県横浜市)は、採用率を下げてでも、「面倒くさい社風」にあう人材を選ぶ。テクノロジーやITが進化する中、「人間力」が必要になると考えているからだ。

スタンディングポイント 若森寛社長スタンディングポイント 若森 寛社長

スタンディングポイントの求人には年間100名の応募があるが、採用率は10%。「面倒くさい社風」にあう、勤勉なヒトを選んで採用している。

面倒くさいとはどういうことか。例えば新人研修では「自分史」を語らせる。2月初旬の社員旅行では、1月に入社したとしても、「経営課題」を持ってくる事を指定する。全社員日経新聞を読ませていて、「自分の仕事に引き寄せて考えると、この記事についてどう思う?」と問われる。月収の5%は自己投資に使うことを推奨している。エリアごとに勉強会もある。

「テクノロジーが進化して、真贋判定とか技術はショートカットできるようになる。これから必要なのは人間力」(若森寛社長)と考えているからだ。自らを磨き続けることを課す。

求める事多いが対価はきちっと

店長ともなると、仕事はさらに忙しさを増す。スタッフの育成、採用、フォロー研修。そして部下と飲みにいってコミュニケーションもとらなければならない。ただし、求めることが多い分、対価もきちっと出すと言う。

「店長の平均年齢は28歳で、平均年収は550万円くらい。600万円台も目指せます」(若森社長)

目指す人物像は『共同経営者』だ。気軽に働きたいヒトには面倒かもしれない。しかし、成長したいヒトにとっては、この上ない機会を与えてくれる会社と映る。

良い所に焦点当て伸ばしていく

かと言って、型にはめて同じような人材を量産するわけではない。「リユースで世界を豊かにする」というビジョンを共有していれば、パーソナリティーは自由でいられる。用いているのが「アイデンティティーグロー」という考え方。そのヒトが持つ良い所をフォーカスし伸ばしていくというものだ。

「施策は下手だけど買取りの成約率が異様に高いとか、整頓ができないけど40代女性にやたら人気があるとか、人にはそれぞれ強みがある。短所も指摘しますが、強みをより伸ばすように持って行きます」(若森社長)

今、CtoC取引が存在感を増している。若森社長はそれに対してこんなふうに語る。

「フリマアプリは手間がかかり、対面型のリユース店の方が便利︱︱そう話す人もいますが、すぐに進化してフリマアプリが面倒じゃなくなるのは見えている。それに対抗するためには、本当の優位点が生みだせる『ヒト』の育成に力を注がなければなりません」

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435号(2018/03/10発行)10面

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