NGOクワトロ、ラオスの寮生が古着販売
2018年10月30日
ラオスの寮生が古着販売
ビジネス体験し日本語教育も
ラオスで学生寮を運営し教育支援を行っているのがクワトロ(埼玉県さいたま市)だ。同団体は日本で集めた古着を現地に輸送し、寮生が販売活動に携わっている。販売利益は寮の運営費に充当。ビジネス体験や日本語教育等を通して、グローバル人材の育成を図っている。
▲「さかくも古着屋」で販売する様子
学績優秀でありながら経済事情や距離的な問題で高校に通えない子どもに向け、学生寮「坂雲寮」が立ち上がったのは昨年8月。現在16~17歳の男女20名が同寮で生活し、日中は近くの高校に通学している。放課後や休日は、古着の値付けや在庫管理 を含めた販売活動、日本語の学習、当番制での炊事洗濯といった家事も行っている。
寮の運営費として、助成金や協力法人からの月額寄付で賄っていた同団体は、昨年10月より日本で古着回収を始めた。個人からの古着回収を加えたことで、「支援に関心はあったが、金銭的支援には心理的ハードルが高かった層にも支援の間口が広がった」(理事川嶋達也氏)。
また協力法人の社内で古着を回収したり、園で開催されるラオス関連の祭典で呼びかけたりなどした結果、現在月に段ボール5~6箱分の古着を現地に輸送できている。現地での中心販売単価は日本円換算で300~500円程度。
「支援を受け続けないと生活できないのでは、途上国の貧困問題の根本的解決はできない。各々が自立できる仕組みや、労働環境を作っていく。日本国内は少子化で労働人口は減少。寮生の希望によっては、日系企業での働き口も紹介していきたい」
(川嶋達也氏)
▲川嶋達也理事
第450号(2018/010/25発行)5面