女性向け衣服レンタル「メチャカリ」月間利用者1.2万人突破
2019年01月09日
Special Interview
▲ストライプインターナショナル
メチャカリ部部長 澤田 昌紀
女性向け衣服レンタル「メチャカリ」
月間利用者1.2万人突破
ファッションの月額レンタルサービス「メチャカリ」の月額有料会員数が1万2000人を突破した。サービスの最大の特徴は新品のみを貸し出していること。返却された商品は新古品として自社ECなどを通じて再販する。運営会社であるストライプインターナショナル(岡山県岡山市)は、アースミュージック&エコロジーなどのブランドで知られるSPA(製造小売業)だ。メチャカリ部部長の澤田昌紀氏に、同サービスの今後を聞いた。
-サービスの近況を教えてください。
緩やかではありますが有料会員数は右肩上がりで1万2000人を突破しました。冷静に考えるとすごいことだな、と個人的には思うのですが、とはいえ数万人の世界の話。公開していないのでわからないですが、他社さんも有料会員数は同じくらいだと思う。全部のサービス合わせても10万人いるかいないかくらいの規模ではないでしょうか。そう考えるとF1層(20~34歳の女性)は1300万人くらいいるし、まだまだこれからのサービスだと思います。
「想定したニーズと違った」
-どのようなニーズがあったのでしょう。
当初想定していた「たくさん借りたい」というニーズよりも、お客様はメチャカリの利便性に魅力を感じていた、というのが運用を続けてきての一番の気付きです。限られた可処分所得の中で洋服にかける費用を抑えることができるし、返却すればタンスの肥やしにならず、ユーズドとして再利用される。こういった無駄が無い点で共感を得ているようです。
-10月からはAIチャットボットによるスタイリング提案サービスが始まりました。
開始したきっかけはやはり利用者の属性が当初の想定と違っていたことが大きいですね。「洋服が好きな若い子が喜んで使う」という感じでは無く、実際使っているのは時間が無いし、服にも詳しく無い方々。こういった方々にレコメンドが必要だと判断して実装しました。
-といいますと。
服が好きな人は自分で選ぶのを楽しむので、こちらからの提案は不要だと思うんです。しかし、メチャカリの有料会員の過半数は25歳以上の女性で、洋服にさほど興味がないOLさんだったり、子育てで忙しいママさんが多い。それでも例えば社内のプレゼンや授業参観だとかでおしゃれをする必要があって、こういったときにレコメンドができればいいなと。
「新品のレンタル」押し出していく
-今後拡大していくために必要なことは。
メチャカリを運営する上で課題に感じていのは、我々はあくまで「新品をレンタルしている」ということを打ち出していく必要性です。ユーザーはレンタルを中古だと思っている人が大半です。F1層1300万人の内多くの女性が「レンタル=中古=やだ」と言う風に決めつけてしまっていると思います。弊社の通販サイト「ストライプクラブ」で5000名を対象に行なったアンケートによると、8割くらいがユーズド品に抵抗があると話しています。
-古着市場は広がっていると言う見方もありますが。
フリマアプリも例えば渋谷109で限定商品を買った人が地方に販売しているような感じだし、全体でみても中古というよりはブランドの在庫から出た新古品が売れているといった印象です。新古品は単価も高いし、結果として市場が大きく見える。古着と新古品は区別して市場分析するべきだと思いますね。
-メチャカリで返ってきた服はユーズドとして販売していますが、売れ行きは。
ハッキリした数字は非公表ですが、そこそこ売れています。というのも、綺麗なユーズド品を販売しているから。メチャカリで貸し出す期間はマックスで2ヶ月間(2ヶ月を経過するとプレゼントされる)だから前提として状態はいい。しかもブランドの新作なので、そのシーズンのトレンドに合った新古品として販売することができます。
-今後の展開を教えてください。
メチャカリで貸し出す服は中古の使い回しとか5年前の服ではなく、このシーズンにできた新品の服です。そこを理解されないと広がっていかないのかなと感じています。明確な期間は定めていませんが、有料会員数20万人を目標にしています。黒字化は難しいことではないですが、今は拡大のフェーズと位置付け、積極的にマス広告に投資します。
会社概要
名 称:株式会社ストライプインターナショナル
設 立:1995年2月
代表取締役社長:石川 康晴
資 本 金:1億円
年 商:1242億円(2016年度・グループ連結)
事 業内 容:衣料品製造・販売
所 在 地:岡山県岡山市北区幸町2-8
第454号(2018/12/25発行)20面