《Hot TREND》Azoop、500社利用する中古トラックサイト 売却時の手続き効率化
2019年06月04日
中古トラックの売買サイト「トラッカーズ」を運営するのがAzoop(東京都世田谷区)だ。昨年1月にリリースし、1年で運送会社など500社へ利用実績をあげている。従来運送会社が車両売却をする際、複数の買取業者に見積依頼をするのが主流だった。このサービスでは、細かい手続きなどを一本化でき、業務効率化を行える他、車両1台あたりの利益アップを図れる。
トラッカーズでは運送会社が所有するトラックなどの車両を業者間で売買できる。車両を売りたい業者は、同サイトに出品依頼をすると、プロの鑑定士より車両チェックを受けられる。そこでまとめられた情報や車両の画像、また、稼働を確認できる動画がサイトに掲載される。そこから買いたい会社からオファーを受けられる仕組みだ。
業界の非効率さをテクノロジーで改革
同社の朴貴頌社長はリクルートで営業職に従事した後、家業であるトラック売買会社の日光オートに勤めた。そこでの経験から、運送会社の車両売買における非効率さを痛感。複数の買取業者に車両を見にきてもらったり、電話やFAXを使ってやり取りを進めたりという従来手法を、テクノロジーを使い構造改革しようと同社設立に至った。
業界ではドライバー不足や労働時間の見直しなどにより、業務効率が重視されるようになってきている。そこで朴社長は、「車両1台あたりの利益の最大化が重要」と唱える。
各運送会社にとっての車両売買における最適判断を、トラッカーズがサポートできる側面もある。「トラック1台の入替サイクルは平均10年」(朴社長)と話すが、その循環を速めれば、良質な車両がより出回りやすくなり、ドライバーにとっての安全確保にもつながる。
中間フロー省き 高価買取、低価販売
トラッカーズでの買取額は相場より最大50万円程度高く、販売額では100万円程度安くできるという。契約上Azoopが一度、車両を売りたい業者から買い取る。その後Azoopが価格を設定。成約が決まり次第、元の所有業者から出荷される仕組みだ。車両保管の面でコストをAzoopが負担しないため、買い取る段階で相場より高い金額で買い取ることができる。従来の売却フローでは、中間に買取業者やオークション会社、小売業者が挟まれることで、安価な買取額ともなり得ていた。
Azoopでは、取引後に起きた車両トラブルにも応じるなど、保証の体制も整えている。現在は出品から約2週間程度で売却が決まるという。1台あたりの成約単価は130万円程度。
第464号(2019/05/25発行)12面