文大、骨董買取 月900万円 同業者に鑑定支援も
2019年08月28日
年商8億円で福山や倉敷に買取販売店やリユース店を展開する文大(広島県福山市)が骨董事業に注力している。市場仕入れが主だったが、ここ2年個人買取の引き合いを集めている。月の買取額は700万~900万円。再販はネットが主体だ。同業者向けに骨董買取の支援も行っている。
同社は「ブランド★らんど」や「楽楽本舗」の屋号で店舗を展開。7年前に骨董事業を開始し、後に「新古美術文大」の名称で専門屋号を立ち上げた。「2012年に『遺品・生前整理』の言葉が出始めた頃から、骨董に注目し始めた。空き家解体や片付けの現場で、何百万円単位の骨董に遭遇するほど地方にはまだまだ物が眠っている」(執行役員谷辺真一郎氏)
最近では貴金属、ブランド品、着物の買取業者と連携し、デパートで骨董の買取りも受付けるイベントを実施。「故人が蒐集していた骨董を売りに出す際、精通していない遺族が骨董店に行くにはハードルが高い。催事によって来店の動機づけを仕掛けつつ、サービスの認知度向上も図っている」(同氏)また、不動産や弁護士など異業種とのネットワークも構築し、そこから流入してくる遺品・生前整理の案件から、骨董買取にも繋げている。従来市場で仕入れ、再販するのが主体だったが、個人から買取り、個人に売るモデルを強化したことで、高粗利を上げられるようにした。
同社では鑑定を行うバイヤーが中四国で開かれる骨董市に月15~17回出入りしている。そこで培った相場感や商品知識を業者間での交流を通じ共有。LINEを使った鑑定の遠隔サポートも行っている。
第470号(2019/08/25発行)3面