中古厨房機器最大手のテンポスバスターズ(東京都大田区)で社長の椅子争奪戦を制し、昨年7月にエリアマネージャーから社長に大躍進したのが平野忍氏だ。自身の担当エリアでは、通常の待ちの営業を壊し、平均的な社員の2倍を売り上げるコンサル型社員を育成した。これをモデルに新しいスタイルの店舗を作っていくと言う。
コンサル型社員育てば4年で100店舗目指せる
――テンポスの3代目社長に就任されて約6ヵ月ですね。「社長の椅子争奪戦」で勝ち残ったんだとか。
はい。争奪戦には14人が立候補しました。私も勉強のつもりで参加したんですが、毎月他の候補者が脱落していくのを見て、自分が「社長になれ」と言われているような勘違いを次第にしてきまして(笑)。1月の方針発表では残っているのが7人だったんですが、脱落したメンバーも含めて14人で点数をつけ合う会があり...。
――ご自身には何点を?
満点に決まってるじゃないですか(笑)。最後はエリアマネージャー職同士、2人の戦いになりました。前評判では向こうがまだ30代と若いこともあって、本命は私という噂が流れていました。
――では、あまり感慨深さは無かった?
全店の店長なども含め最終投票が行われて自分が選ばれた時、皆が拍手をしてくれたんですね。それが鳴り止まないのを聞いて、嬉しいなという気持ちになりました。
店の接客はパートさんに任せる
――勝ち取った社長の椅子でどんなことに注力しますか
下期から来期にかけて「待ちの営業」を壊していきます。店でお客さんを待って接客するのはパートさんの仕事。社員は、外に出て飲食店のオーナーに会いに行くようにします。
11月に出した鹿児島店がその実験店です。(社員=外回り)+(パート=店内接客)のスタイルを作っているところです。12月で黒字化しているので継続したいですね。今までのテンポスは商品量が勝負だったので700〜800坪の売り場が必要でしたが、ヒアリング重視のスタイルにすれば店舗サイズも300〜400坪で済むようになります。実は私が担当していたエリアでは、既にこういうことをやっていたんです。
所在地:東京都大田区東蒲田2-30-17
設立:平成9年3月
資本金:5億912万3千円
従業員:463名 (連結、パートアルバイト含む)
年商:180億 2014年4月(予想)
336号(2014/01/25発行)7面