創業80年以上で、「カメラのナニワ」などを店舗展開するナニワグループ(大阪府大阪市)。フィルムカメラ販売の雄もデジタル化の波に押されるも、「撮影」「toB取引」「画像処理」に力を入れ、立ち位置を保っている。最近では「バナナレコード」をM&Aし話題にもなった。塩山知之社長に話を聞いた。
創業80年のカメラ店、新品から中古にシフト
中古レコード店をM&A
カメラと客層に親和性
ナニワグループ
塩山 知之社長
99年フィルム絶頂から下り坂
── 塩山さんはキヤノン出身で、その後家業を継いで3代目社長に就任されました。
塩山 当社としては創業して80数年にはなります。戦前に中国・大連が日本だった頃、そこで祖父が事業を起こし、終戦となり裸一貫で大阪で立ち上げ直しました。当時は写真の黎明期でカラーフィルムなんてない時代でした。白黒写真の感光材料関係やハードを売るビジネスで、それはものすごい高額で。相手先が限定された商売ではありました。
── 1999年にナニワ商会に入社されました。その時代から振り返るとカメラの業界というのは?
塩山 99年までがフィルムの絶頂期でしたね。95年にカシオのQV-10が出て、すぐにデジタルにとって代わられたわけではないのですが、富士フィルムのファインピックスが、がっと出始めてきて、フィルムを駆逐していったんです。
第539号(2022/7/10発行)9面