縮むPC市場で売上・利益15%伸ばす ― 日本システムケア 家近茂社長

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「インタビュー」

縮むPC市場で売上・利益15%伸ばす ― 日本システムケア 家近茂社長

2016年04月25日

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PCの出荷台数が世界的に減少する中、中古PCを取り扱う日本システムケア(東京都品川区)が堅調に成長を続けている。WindowsXPから7への入替に伴う「ミニバブル」が終息するも、その足元が揺らぐことはない。売上高と営業利益は前年から15%増加しており、今期は単体で年商20億円・営業利益7000万~8000万円、グループ全体では約30億円の売上げ見込みだ。伸び続ける理由を家近社長に聞いた。

日本システムケア 家近茂 社長日本システムケア 家近茂 社長

IT機器導入から排出まで支援 中古PC買取りはサービスの1つ

――XP入れ替え特需が終わり、中古PC市場は苦しい局面にあると思いますがどうでしょう。

「ミニバブル」は一巡して、倍々ゲームは確かに一服しました。しかしうちは取引台数も増えていて、これからも拡大余地があると考えています。

――御社は勢いがあると噂でも聞きます。

勢いがあるというほどではありませんよ。もともと堅実経営で、XPの時に一気に伸ばすとかじゃなく、着実に計画的にというのを心がけていました。あの時は大幅増の会社もある中で、うちは地味な方だったんではないでしょうか。外部環境に左右されていないから、堅調に見えるのかもしれませんね。

「高く買います」と言ってきた業界の10年

――買取りが集まらない企業もあると思いますが、御社は。

いくらでも出てくる時代ではなくなりました。うちも、一昨年、昨年、今年とスマホの台数が増えているので伸びているように見えるかもしれませんが、PCに関しては微増です。

――減らしている企業もある状況下で、少ないとはいえ増やしているわけですね。

管財部や情報システム部、総務部に対して、単なる買取りではなくサービス事業を提供しているので、商品が集まっています。例えば小さな会社だと、PCを排出するのに数十台まとめてどこかに置いておいてもらえばいいけど、大手だとそういうわけにもいきません。うちは、排出のオペレーションや仕分けまでトータルで代行しているんです。全国対応できるように、北海道から九州まで拠点も7つ設置しました。さらにもっとカバーできるよう今後も拡大するつもりです。

この10年業界全体で「高く買います」「データ消去をします」「廃棄するよりお金がかかりません」と言ってPCを集めてきました。でもこれだけだと、本当のお役立ちにはなりません。

メーカーサービスの40%コストダウン

――リース会社や、一般企業が買取り先としてあると思いますが、どこからの買取りが多いですか。

リース会社やレンタル会社のアップ品、一般企業からの買取り、官公庁からの買取りの3つがそれぞれおおよそ均等です。今は、一般企業...法人のエンドユーザーを最も重視しています。

――その理由は。

例えば官公庁はマーケットとして大きいですが、どうしても入札形式による都度契約になります。一方、エンドユーザーは当社のカスタマーになってくれる可能性があり、継続的な取引が見込めます。現在顧客の数は5000社ほどになりました。

会社概要
商号:日本システムケア株式会社
本社:東京都品川区東品川2-3-12シーフォート スクエアセンタービル7階
設立:1989年12月
資本金:9,000万円
事業内容:●コンピューター保守費用削減プランR MS提案●マルチベンダー環境に対するヘルプデス ク・CE/SEサポートの提案●C/S系システムに対す るヘルプデスク・CE/SEサポートの提案●IBMコン ピュータ他各種情報機器売買及び輸出入●IBMコン ピュータのディスコン、インストールモデル変更・機 構追加時のテクニカルサービス●災害時のコンピュ ータシステム復旧・データ保護などの安全性強化プ ランの提案●コンピュータシステムに対するSEサ ポート及び導入・運用支援●パソコンを主とするO A機器の販売、買取サービス●各種HDDのデータ消 去サービス●各種サプライ品の販売●正規Window s OSライセンス導入による中古PC「Re-ValuePC」 の販売

社長プロフィール
1951年生まれ、東京出身。慶応大学商学部卒業。リース会社に勤務した後、日本システムケアを設立。趣味は仕事と車のレース。スピードレースも出るが、クラシックカーのラリーによく出る。最近興味深く読んだ書籍は『帳簿の世界史』。複式簿記がいかに巧妙にできているか分かり、世界の見方が変わる。

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390号(2016/04/25発行)7面

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