小売りを行うリユース店の収益力はどれくらいあるだろうか。月商のほか、商品点数や売場の広さから、店舗運営が成り立つモデルを分析していく。
(1)平均月商:110万円
(2)平均日間客数:10~20人(うち1~4人が購入)
(3)中心客単価:-円
(4)中心商品単価:6000円(初期在庫の場合)
(5)粗利率:65%
(6)売場坪数:48平米
(7)商品点数:800点
(8)在庫回転日数:-日
店内は高級感を演出
9月末に福岡県宗像市で開業した古着店がRe.Quest(リクエスト)だ。代表は約15年にわたって大手リユース店に勤務し、その専門知識や経験を生かして独立。店舗とネットの両輪で稼ぐスタイルを模索し、初月から月商110万円と結果を残している。
同店は個人店として丁寧な買取り・販売を追求している。その代表例が「ヒアリングシート」の活用だ。これは買取査定時に顧客へ渡す用紙で、該当品の購入価格・購入時期・着用回数の3点を記入させるもの。1つ記入するごとに買取金額が10%アップするため、持ち込み客は最大で30%も買取金額を上乗せできる。店側としては査定時により正確な情報を得られるという利点がある。そのうえで同情報を販売時のプライスカードにも記載することで、最終的には顧客の購入を後押しする動機としても機能している。「前職では業務が忙しく、買取品にまつわる背景知識を得る機会がなかった。顧客に寄り添った運営をし、不信感を取り除けるのが個人店の強みでは」と上甲信広代表。このほか、買取りと販売の価格表をあえて公表し、値付けの透明性をアピールすることでもクリーンなイメージを訴求している。
第570号(2023/10/25発行)18面