自死や孤独死後、ゴミ屋敷の片付けなどの原状回復に必須の特殊清掃。そのニーズは高まっていますが、業務の内容は高度かつ専門的で、日本では技術的なガイドラインが定められていません。今回は40代の兄が孤独死した妹の依頼を国際基準のサービスで解決した事例をご紹介します。
ブルークリーン
トラウマシーンの特殊清掃手掛ける
藤田代表が取得した米国基準資格証明書
ブルークリーン(東京都大田区)は、関東一円を対象にトラウマシーン(孤独死や自死及び事件、事故現場)の特殊清掃を手掛ける企業だ。日本ではまだ特殊清掃のガイドラインは定められていないが、同社は2022年にこの業界の最先進国である米国でバイオリカバリーの資格を取得。科学的根拠に基づいた米国基準の作業をお客に提供しており、YouTubeでも特殊清掃や片付けに役立つ情報を発信している。
今年に入って、その動画を見たという40代の女性Aさんから特殊清掃の依頼があった。仲の良かった兄がアパートで孤独死したというのだ。Aさんは自分を責めており、精神的に焦燥していて、「鍵だけ渡すので、室内を見てきて欲しい」と頼まれた。
見積もりを取るために室内に入ると、1Kのアパートは新聞紙、ペットボトルなどで床が見えない状態だった。依頼者の兄は死後2〜3週間経ってから発見された為、腐敗臭とタバコの匂いがひどかった。
第570号(2023/10/25発行)23面