2024年迎春企画として、リユース業に携わる40歳未満の若手経営者14人が登場し、今後の事業展開や市場課題について語ってもらった。これからの時代を担う経営者から見たリユースの未来とは。
無人店にこだわらず居心地の良さ追求
無人古着店「SELFURUGI」
AVEND
南雲 宏樹 社長(31)
AVENDは無人古着店「SELFURUGI」を直営・FCで展開している。一部のFC店では"有人"化を考えている。無人店にこだわらず居心地の良さを追求し、こうした新開発でオーナーの売上・利益拡大に努める。
「納得できる循環」構築
ブランド古着
KLD
伊東 健太 社長(35)
ブランド古着の宅配買取とオンライン販売を行う。買取時には査定の理由や販売金額も公開する体制を採用し、「納得できる循環」の構築を重視する。2023年10月にDLE社と資本提携。今後オフライン展開にも注力する。
美容院向けに買取窓口FCを企画
シャネル特化のブランドリユース
ペンギントレード
佐藤 佑一 社長(33)
シャネル中心のブランドリユース事業を展開。法人向けLINE買取サービス「COCO査定」を行っており好調。EC事業と、美容院で買取りの窓口を行ってもらうFC加盟開発に注力。ヴィンテージ品のオークションも企画中。
内装からブランディング、行ってみたくなる店づくり
ヴィンテージショップ「VINTAGE QOO TOKYO」
エイト
濱田 沙希美 社長(32)
表参道でヴィンテージショップ「VINTAGE QOO TOKYO(ヴィンテージクートーキョー)」等を運営。海外客が約9割を占める。内装からブランディングし、行ってみたくなるような店づくりを手掛ける。
旧裏トレカで差別化
トレカショップ「ニンニン」
NINJA
小川 北人 社長(33)
会社経営のほかに映画監督をしている。資金難から起業することになり、海外需要があるトレーディングカードの買取・販売事業を始めた。「旧裏」を強みに事業を軌道に乗せ、今後はブランド品など商材の拡大を目指す。
女性ユーザー入りやすい環境に
トレカショップ「トレカ地方」
シャイニースター
楠生 愛里 社長(23)
トレカ地方はポケカに特化した中古トレカ店。ブームを受けてさまざまな業者が参入する中、一部で偽造品流通や不正オリパ販売などの課題も浮かび上がり、同店は対面でやり取りを行える強みで安心を訴求する。
AIでECでの古着の購買体験を変えたい
着用画像から探せる古着発見アプリ「ReList」
nook
熊澤 龍生 CEO(23)
慶應義塾大学在学中に起業。「ReList(リリスト)」という着用画像から探せる古着発見アプリのβ版を昨年4月にリリース。AIを活用した着用画像の生成により、オンラインでの購買体験を変えることに挑戦している。
ブロックチェーンで二次流通の本領発揮を
マーケットプレイス「チケミー」
チケミー
宮下 大佑 社長(22)
商品の隠れた価値や生産者への還元を高めたいと思い、マーケットプレイス「チケミー」を発足。チケミー上での二次流通を活性化させることで、生産者と販売者の両方に適正な利益が行き渡る仕組みを作る。
海外古着、厳選される時代に
海外古着卸
3peace
加藤 雄大 社長(36)
3peaceは海外古着卸を軸としながら、小売店も展開。古着ブームが落ち着き、モノの「厳選化」が進む中で、有利に上流から仕入れられるような体制強化を図っている。今後はFC店や新事業を拡大したいという。
古物市場で輝く女性を増やしたい
オンライン型物販スクール「Re:che」
Merone
森川 くみこ 社長(34)
オンライン型物販スクール「Re:che」を運営。「リユース×女性支援」で、稼げる主婦の創出を目指す。現在は13名の講師と1300名の生徒が在籍。3年後には生徒数1万人を目指し、特に古物市場で活躍する女性を増やす。
「売却後も手放さない」選択肢の浸透図る
リースバックサービス「cashari」
ガレージバンク
山本 義仁 CEO(35)
動産リースバックサービスの「cashari」を提供。売却し資金を受け取った後も、手放さず利用料を払いながら使い続けることが可能なもの。アプリにGMOあおぞらネット銀行の口座が開設できる、新サービスも始めた。
質店の良さ 同年代にも知ってほしい
質店「CASH BANK」
Smart Cash Bank
藤野 彩 社長(28)
2022年3月に松山市で質店「CASH BANK」を開店。子供の貧困問題や、断捨離の流れを受けて質店を開業した。ラジオ番組で認知度の向上を図り、地元密着の質店を目指している。仕事と子育ての両立を質店で実現。
中古スマホ、消費者に馴染みがない
スマホリユース
ブループリント
中村 友昭 社長(34)
スマホ修理・買取店の直営店を8店設ける。スマホ買取の集客を支援するFCを運営し、加盟店は120店に及ぶ。馴染みがない中古スマホに興味を抱けるよう、接客の質向上を強化する。中古PCにも乗り出す。
障がい者や中古品に対する偏見変えたい
PCリユース
ポンデテック
財津 和也 社長(37)
ポンデテックは使用済みのパソコンなどをリユース販売している。障がい者雇用の拡大、リユースによるCO2削減、デジタル教育環境整備に取り組んでいる。障がい者や中古品に対する偏見を変えていきたいという。
第575号(2024/01/10発行)1面