とけい堂、『壊れた時計買取り』で目立つ
2015年06月30日
広告競争よりニッチなメニューを
ガラスの割れたロレックス、動かなくなったパテックフィリップ―――。OCTAGON (東京都台東区)が運営する中古の高級時計店「とけい堂」が、買取り強化をはじめたアイテムだ。買取り競争が激化する中、高価買取以外の切り口で消費者にPRする。
とけい堂が、買取りサイトに「壊れた時計買取りOK」のメニューを表示したのは4月のこと。徐々に問合せが増えはじめているところだ。
ある日買い取ったのは、全く動かなくなったカルティエ。分解しクリーニングすると、つまっていた埃がとれて再び動くようになった。完動品の買取価格はその日25万円だったので、23万円で買い取った。依頼主は壊れた時計だと思い期待していなかったため、思わぬ高値買取りに大喜びだ。とけい堂にとっても簡単な清掃のみで、良い商品が買い取れたことになる。
時計買取りの競争は激しく、資本力のある大手の参加企業も多い。とけい堂は、広告宣伝に大きな費用を投下せずしてどうすれば勝てるか。それを考えて、ニッチで専門性の高いメニューをひとつ、打ち出すことに決めた。
ガラスとリューズがとれてしまったパネライや、クォーツ回路が故障して時を止めた時計と共に、様々な商品も集まってくる。
370号(2015/6/25発行)16面