繁盛店の店づくり【vol.272】新たな服のサイクルをつくる実験的テーマパーク

三井不動産（東京都中央区）は今年6月、ファッション業界の余剰在庫の問題解決を目指す、実験的ショップ「KISARAZU CONCEPTSTORE」（千葉県木更津市）を、三井アウトレットパーク 木更津の隣にオープンした。ファッションを楽しむテーマパークのような店づくりで、新たな服との出会いを提案している。

KISARAZU CONCEPT STORE

工場などで使用されるビニールカーテンを売り場の仕切りに使用。空間をスタイリッシュに演出している。カーテンなので、どこからでも入ることもできる点も面白い

「余剰在庫の問題解決のための最善の手段はお客様にそれらをお届けすることだ、と考えました。そこで、楽しくそして購入しやすい環境を作ることを優先して考えました」と、三井不動産商業施設本部の伊藤榮輝さん。

店内は5つのゾーン（カジュアル・ストリートウェア／シャツ・ワンピース・ボトムスなど／靴・バッグ・アクセサリー／デザイナーズ／キッズ）に分かれていて、お客は美術館のように店内を進む。途中、小部屋のようなスペースがいくつもあり、床の色も変え、それぞれ凝ったディスプレイを施している。店舗のプロデュースはセレクトリサイクルショップ・PASS THE BATONのスマイルズが担当。店内には同店で使用されていた什器なども再利用し、真新しい空間の中に落ち着いたエッセンスを加えている。

第564号(2023/07/25発行)12面