成長企業の戦略(6)アイデクト、顧客ジュエリー管理システムで

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成長企業の戦略(6)アイデクト、顧客ジュエリー管理システムで

2017年01月21日

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顧客ジュエリー管理システムで
商材の把握・掘起こしを実現

アイデクト (ブランド・宝飾)

38%UP!!
中古売上14.8億円(2014年8月期)→20.4億円(2015年8月期)

「お客様のジュエリーをアセットマネジメントする」をモットーに、ジュエリーの買取り販売、リフォームなどを行うアイデクト(東京都中央区)。2015年8月期の売上げが24.8億円の内、20.4億円が中古売上だ。

藤野匡生社長は、「5年前に導入したシステムが軌道に乗り始めた影響が大きい」と話す。

そのシステムが、「マイジュエリーボックス」。会員の持っているジュエリーを登録管理するサービス。来店時、次回手持ちのジュエリーを店頭に持ってくるよう促し、そこでジュエリーの写真や情報を登録する。スタッフはもちろん、顧客もマイページから常に閲覧できる。誰がどんなジュエリーを持っているか、一目で把握できる仕組みだ。

「我々の扱う商材は、お客様のご自宅に眠っている。そこを掘り起こすために導入しました」。

当初は渋るお客も、「修理時10%オフ」などのポイントに惹かれ、1人数百点持ち寄るお客も。現在会員数は8万人、約18万点のジュエリーが登録されている。「お客様が持っているジュエリーは3つに分かれる」と藤野社長は話す。

「まず今すぐ売りたいもの、絶対売らないもの、そして売っても売らなくてもいいと思っているもの。その3つ目を取れる、取れないかが成功するカギだと思っています」。同社はマイジュエリーボックスで、その3つ目を掘り起こす。「登録で店頭にお持ちいただいたときに、ひとつひとつアドバイスをします。例えば、『今のままだと20万円だが、こういう形にリフォームすると100万円の価値になる。リフォーム費用は30万円だからリフォームを...』といった具合です」。

またお客のジュエリーを管理できるのは、利点だ。「これらは将来的にうちの商品になる確率が高いもの。お客様のマイジュエリーボックスの中身の鮮度を常に保ち、当社で販売できるようにバリューアップをご提案するんです」

例えば、シーズン落ちしそうなジュエリーのリフォームを勧めたり、旬を過ぎる前に買取りを勧めるなど、マーケティングツールとしても活用する。買い取って即売れる商品の質を維持する。

買取以外も提案できるプランナー

百貨店などに出店する同社。店舗内観にもこだわる百貨店などに出店する同社。店舗内観にもこだわる

店頭スタッフの『プランナー』たちは、研修を積み、ジュエリーについて詳しい知識を持つ。ソリューションサービスを提案できるのだ。そのため買取りだけでなく、「これは売って、これをリフォームしてみましょう」などとお客に訴求できると言う。「ジュエリーを持つ日本人は、6000万人と言われています。そこまでの数をマイジュエリーボックスに追加しきれる心づもりで、プランナーたちの接客術も磨いています」

407号(2017/01/10発行)12-13面

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