Fablic、楽天のフリマアプリ
2017年03月09日
「ラクマ」「フリル」がメルカリ追う
楽天は昨年10月に楽天オークションを終了し、C2C取引はフリマアプリに集中する方針に切り替えた。9月にはフリマアプリの「フリル」を運営するFablicを取得し、自社で運営する「ラクマ」と合計で1000万DLという規模になった。フリマアプリ市場はメルカリが突き抜けているが、楽天経済圏の中で2つのアプリはどう成長を目指すのか。日本初のフリマアプリ「フリル」の創業者で、楽天グループ入りしたFablicの堀井翔太社長が答える。
Fablic 堀井翔太社長
――楽天が楽天オークションを終了し、フリマアプリを選んだのはなぜでしょう。
スマホに急激にデバイスがシフトして、ニーズと合わなくなったからです。今求められているのは、スマホで隙間時間に簡単・簡潔に取引きが行えること。PCで複雑な取引を行うイメージのオークションはそれに対応できない。フリマアプリのラクマが伸びてきていたので、経営資源をこちらに集中することにしたようです。
――なぜ、2社は一緒にやることにしたんでしょうか。
売れているモノもユーザー層も違い、補完できるからです。ラクマは強い分野が家電やスマホなどガジェット系、ベビーやキッズ用品など総合型です。フリルは女性やファッションに強く、利用者も10〜20代女性が中心です。現在、相互送客を行っていて、これから楽天スーパーポイントの連携も行う予定です。
楽天経済圏の中で利益を生む
――メルカリをどう追い上げますか。
楽天は楽天カードや楽天市場、楽天銀行など様々なサービスを持っていて、ログイン会員が8826万人います。この経済圏の中でユーザーをしっかり獲得していくつもりです。ラクマもフリルも出品手数料を無料にし規模の拡大を優先しています。将来的に両アプリ共収益化を目指しますが、他のサービスに送客し全体で利益を生むという、楽天経済圏の中だからこそできることです。
フリマアプリがヤフオクを逆転する
――これから、C2C市場はどうなると予測していますか。
日本のC2C市場はこれまでヤフオク!がけん引してきており、年間8000億円くらいの流通額があります。フリマアプリの歴史は4年くらいですが、今2000〜3000億円にタッチする物量に育ってきた。4年で3分の1くらいまできています。これから3〜5年、早ければ2年で並んで逆転するのでは。買い手のパワーがフリマアプリに流れてきています。それに伴い、良いことかどうかは別として、パワーセラーもフリマアプリに流れてきています。
――今後、どのフリマアプリが残るでしょう。
総合型だと2ケタ億以上の流通額があるのは、メルカリとラクマとフリルのみ。楽天勢か、メルカリのどちらかが生き残るということになるのではないでしょうか。ただ、併用するユーザーもいるので、どこかが勝って、他が全部死ぬというわけではないかもしれません。
410号(2017/02/25発行)20面