第4回 いざ、平場へ出陣!
さて、いよいよ平場へ参加してみましょう。今回は実際に「平場」に参加する際の流れやポイントをお話します。まず、会場に入る前に飲み物を買いましょう。飲み物は原則持参とするところが多いです。充分にノドを潤し、ヤリ突き(買値の入札) で声を枯らさないよう気をつけたいもの。勢い余ってドリンクをこぼしてしまわないよう、キャップ付きがオススメです。
初めて参加する市場でしたら、古物商許可証のコピーは必ず持参しておきましょう。会場に着いたら、参加費用を払って席に着きます。ここで早速気をつけたいことが!平場は基本自由席ですが、市場によっては"暗黙の了解"として、常連さんの定位置が決まっていることもあります。まずは挨拶も兼ねてオークショニアにそれとなく、どこに座ればよいか聞いてみた方がいいでしょう。
出たとこ勝負!! 掘出し物を狙え
席に着いたら、いよいよ競りの始まりです。最大の特徴はなんといっても「当日初めて出品物を見ること」。入念な下見期間を経て本番を迎える大会と違って、ある意味"出たとこ勝負"が平場の醍醐味!皆その場で入札金額を決めて臨みますから、初心者でも掘り出し物が狙えるチャンスがあります。
とはいえ、そう簡単にはいかないもの。参加者の目の前に出品物が次々と現れ、振り手のもとに流れていきます。
RKグローバルオークションで開催していた平場(現在は閉鎖)の様子
平場では下見期間がない代わりにこうして出品物をチェックしますが、この流れがとても速い!ゆっくりじっくり見る時間はありませんから、素早く出品番号と入札金額をメモして、競りが始まったら買値を発声。競りはおよそ一点10秒くらいで進行していきますが、その間も次の出品物が流れてくるため、なかなか休まるヒマがありません。
手元の出品物に気を取られ、あわてて入札したらワンテンポ遅れて"後ヤリ"になったり、競り上がり金額が小幅(基本は、直前の入札金額から一割増が目安です) になったりするとあまり良く思われませんから、この辺りは慣れるまでは気をつけたいところです。
市場によっては進行がゆっくりなところもありますので、まずは自分に合う平場を見つけ、しっかり練習を積みましょう。1万円未満の安価な出品物が数多くありますから、思い切って入札できます。また、一度落札された出品物が、買い手のチェック漏れや入札金額の間違いによって再度競りにかけられる"振り直し"に対しても寛容です。
初心者のうちこそ、ミスや失敗を恐れずに果敢に挑んでみてください。それがブランド市場バイヤーへの第一歩です。いざ、出陣じゃ!
齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ
執行役員 兼 オークション事業本部 本部長
Profile
グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。
358号(2014/12/25発行)7面