香港、ドバイ、仏...世界中に中古拠点 ― エコリング 桑田一成社長
2016年04月04日
目指しているのは古物の商社
売上げの半分を海外で稼ぎたい
買取専門店を展開し年商120億円を上げるエコリング(兵庫県姫路市)が、香港やフランス、ドバイなど海外拠点を増やしている。これからニューヨークやロス、チリにも進出予定だと言う。目指しているのは、古物の商社だ。桑田一成社長に、海外展開の進捗や、近年増やしている「雑品買取り」について詳しくインタビューした。
エコリング 桑田一成社長
――海外拠点がどんどん増えていますね
香港、タイ、ドバイ、アフリカ、フランス、カンボジアの6拠点あります。それぞれ役割は違って、例えば香港ではブランドを中心に業販と買取りとイーコマースをやっています。タイでは5店の小売店を運営していますし、フランスだと着物や骨董、ブランド品の業販。そしてアンティークの仕入を行っています。
――改めて、海外に会社や店舗をつくる狙いを教えてください。
エコリングが目指しているのは古物の商社です。今は西に西に行っていますが、これからロスとニューヨーク、チリまで中古の物流をつくりこんで、そこからさらに枝葉を伸ばしていく予定です。
日本の中古品を海外で販売するだけではなく、為替や需要を勘案して、互いの国からコンテナを送り合うようにしたいと考えていて、すでに少しずつ始めているところです。
――海外での売上はどのくらいになりましたか。
今期10億円の見込みです。5年後までには売上高の半分を海外で稼ぐようになりたいですね。
――港からはじめて、タイ、ドバイ...最近ではフランス・パリに進出しましたがどうやって進出先の国を選んでいるんですか。
やみくもに行っているわけではなく、足掛かりとなる買い手がいる国に様子を見ながら出て行っています。
例えばエコリングでは大阪でブランド品など常時1.5億円以上の在庫を置いているトレードセンターを運営しているのですが、ここには国内だけでなく海外からもバイヤーが買い付けにやってきます。また、ヤフオク!に出品している商品の買い手の中にも海外バイヤーがいるわけです。すでに一定量買ってくれている国に対して、じゃあ、もっと買いやすい場所に出しましょうかという発想でやっています。
これから進出予定のNYでも、すでに億レベルの宝石や絵画を買ってくれているバイヤーがいますよ。
――一定以上の買い手がすでにベースとしているなら、海外進出も成功しやすそうですね。
ええ。ただそれでも海外ですので、騙されたり撤退したりと大変なことも色々乗り越えてきましたよ。
――海外にこれまでに無かったインフラをつくるというのはパワーが必要ですね。ところで進出する際の形態も、業販のみだったり、現地での仕入をやっていたり、小売店を展開していたりと様々なのはなぜなんでしょう。
販売方法にはこだわっていません、売れればいいので、業販でも小売りでも何でもいいんです。
『買取専門店』で負ける気しない
――国内の買取りについても教えてください。買取り専門店は何店舗になりましたか。
69店です。関西・中部・関東・中四国・九州エリアに展開していて、今後も年10店ペースで増やしていく方針です。
――買取り競争も激しくなっていますが、商品は集まっていますか。
既存店の買取り額も前年の100%を超えていて好調です。競合も色々と増えていますが、そもそも小売りを切り離して買取りに特化する『買取専門店』という業態は当社がつくりだしたもの。そこで負ける気はしないですね。
――買い勝てる理由は何だと分析していますか。
本社所在地:兵庫県姫路市飾磨区恵美酒213錦ビル
東京本部:東京都中央区新川2丁目1-7セルコンスクエア 5階
創業:平成13年(2001年)
従業員数:289名(2015年2月時点/契約社員・パートタイマー含む)
事業内容:買取事業、ブランド品専門店運営販売事業、インターネット販売・業者間取引販売事業貴金属販売及び古物オークションへの販売事業
プロフィール
388号(2016/3/25発行)7面