《ブランド市場バイヤーに学べ27》品数、バイヤー数、相場を肌で感じよう

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「ブランド市場バイヤー 齋藤清の俺に学べ!」

《ブランド市場バイヤーに学べ27》品数、バイヤー数、相場を肌で感じよう

2016年11月25日

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第27回 バイヤーが押さえるべき3つの数字感覚

先日、早いもので私どもが主催している「RKグローバルオークション」が創立6周年を迎えました。おかげ様でボリュームある3日間の大会を終えることができ、内容的にも好評の声をいただけました。リサイクル通信購読者の中にも当会に参加いただいた方々がいらしたと思いますから、あらためて感謝申し上げます。

話は変わって、今回は大会市場で競り勝つために必要な「数字感覚」についてお話します。まず、バイヤーという生業は「相場」を身に着けることが必須であることは、皆さん納得されるところでしょう。しかし、相場"勘"ともいうように、競りの場ではある種の肌感覚ともいえる要素が活きます。今回お伝えする数字感覚とは、そうした肌感覚的な3つのポイントです。決算書を読み解くような小難しい数字感覚ではありませんから、あまり構えずに読んでみてくださいね。

品数、バイヤー数、相場を肌で感じよう

さて、競りに勝つためにバイヤーが押さえるべき数字感覚とは「品数」「バイヤーの数」「相場」この3つです。順番に説明していきましょう。

「品数」とは、その市場に出品されている商材の種類です。何百~何千点の商材が集まる市場では、ロレックスやルイヴィトンなどの人気ブランドは同じモデルが複数出品されます。同じモデルの出品数が多ければ入札者が分散し、競争率は下がり、結果として相場も下がって買いやすくなります。目当てのモデルが何点くらい出品されているかは、相場を占う大切な指標。ロレックスなどの人気ブランドで、出品数が少なく希少な商材の場合、ものによっては標準相場から3%ほど上振れすることだってありえるからです。

「バイヤーの数」は、ライバルの数や顔と言い換えてもいいかもしれません。下見のときに見るのは、なにも商材だけではありません。会場に来ている他のバイヤーをチェックし、どこの会社の、どのバイヤーが今回の競りに来るのか、あらかじめ把握しておくのです。例えば、時計の市場では大体商材ひとつに5~10人くらいが競り合います。下見の段階で誰が競りに来るか分かっていれば(一番高い値段をつけそうなのはあの人、その次に高い値段をつけそうなのはあの人で、~円ぐらいだろう・・・) といった予測が立ちます。ライバルの情報を仕入れておくことで、自分の予算感の分水嶺もイメージできると思います。品数とバイヤーの数は、下見期間をフル活用して情報収集しておくことをおすすめします。

そして、最後は「相場」です。いわずもがな、為替やトレンドを踏まえて適切な相場を覚えておくことはマスト事項。それに先述の品数、バイヤーの数といった情報をかけあわせることで、より実勢に近い入札値を導き出していきます。

以上、バイヤーが押さえるべき3つの数字感覚でした。市場は、BtoCで行う一対一の買取りと異なり、同じ時・同じ場所でライバルとしのぎを削りあうもの。外部環境の変化が激しい今は、相場どおりに落札されるケースの方が少ないくらいかも。相場に加えて、品数やバイヤーの数を調べてから市場に臨めば、競りの勝率はきっと上がりますよ。

アールケイエンタープライズ 齋藤清齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ
執行役員 兼 オークション事業本部 本部長

Profile
グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。

404号(2016/11/25発行)17面

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