地金、有力店も買えず
2016年03月10日
相場上昇にもユーザー慎重
中国経済減速などに起因し、短期トレンドで見ると金相場が上昇基調にある。田中貴金属の税込買取価格は1ヵ月前と比較すると、1割程度値上がりしている。しかし有力な貴金属買取り事業者に影響を聞いたところ、その恩恵は無く苦戦を強いられているようだ。
全国で貴金属買取り店を多店舗展開する有力5社に、1〜2月の地金買取り額を前年同時期と比較してもらったところ、全社が減少していると回答した。
最も下げ幅が少ないD社を除き、30〜50%の大幅減という結果となった。
その要因を尋ねると、30%減と回答したA社は、「想像以上に消費者が賢くなっている」と話した。世界経済の失速で金の価格が上昇しつつあるが、それがむしろ「今後もっと上がるのではないか」という期待感で売り控えに繋がっていると説明する。
50%減と回答したB社は「先行きの不透明感から金の『売却』より『保有』に向かっているよう。それが報道され、一般の消費者にも影響を与えている」と話す。
387号(2016/3/10発行)1面