古書ドリス、時代に合わせた柔軟な対応

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「バイヤー道」

古書ドリス、時代に合わせた柔軟な対応

2017年09月20日

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ネットを見て安心感得ることも

幻想美術という独自ジャンルの古書に明るい、古書ドリス(東京都江東区)。在庫数は約5000点。時期にもよるが7割が買取り、3割が市場での仕入れだ。買取りを担当するのは、店主の喜多義治さん。「時代に合わせた柔軟な対応」で、買取を成立させている。

古書ドリス 喜多義治店主古書ドリス 喜多義治店主

コツ1 必要であれば、ネットも活用

古書店の買取りはどちらかというと職人気質。目利きで値付けする人も多い。「基本的にネットは見せませんが、ひっかかることや、お客さんへ買取り額を伝える際の根拠として作家や出版社のことや、相場などをPCで調べることもあります」

喜多さんの場合、必要なときはお客の目の前でも、ネットを見ると言う。

「アマゾンは見てくれないんですか?」。とある店頭買取りのお客から、こんな言葉をかけられたことがあったと言う。「特に、若い方はネットを使い自分で相場を調べることができる。場合によっては、店側がネットを見ずに値付けすると不安に感じる場合もあるようです。自分の知識でしっかりと買取り価格を説明できる場合は省きますが、根拠や説明の材料として調べる場合もありますね」

ネットの情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、それを踏まえ「この店ではいくらで売れるのか」を考えることがポイントだ。

コツ2 宅配買取りのやり取りは、基本メールで

「幻想美術」に特化した古書店は珍しいことから、宅配買取りも全国各地からくる。その際は、事前に問い合わせをしてもらう。「送ってもらっても、当店で扱いづらいジャンルのものだったり、状態が悪くて買い取れない場合もあるからです」

電話でも受け付けているが、見積もりや金銭の絡む話題の際は基本メールでのやり取りに徹している。「何かあったときに、電話だと言った言わないの話になってしまうからです。お客様も私たちも気持ちよくやりとりできるように気を付けています」

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423号(2017/09/10発行)10面

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