着物やブランド品など主要な顧客が中高年や高齢者の商材を扱うリユース企業が、若年層の取り込みに力を入れている。入店のハードルを下げるために、若手スタッフの採用やSNSを活用。若年層は消費者にとどまらず、情報発信者としても影響力を持ち、新たな顧客獲得につながっている。将来の消費市場を担う層にどう振り向いてもらうか、リユース企業の取り組みを追った。
高級品店の入りにくさ、SNSで解消
若手を増やし
売上が増加
「MEGAたんす屋」は従業員の3分の1が20代
浅草のリユース着物店「MEGAたんす屋」(東京都台東区)は、若年層の取り込みを図るため、積極的に20代のスタッフを採用している。従業員の3分の1が20代で、若い世代に向けたサービス提供に力を入れている。太田泰成店長によれば、「推しコーデ」が若者の間で流行しており、アイドルやアニメキャラクターの衣装に憧れて着物を購入するケースが増加しているという。
「着物は年配層のものというイメージがあるが、若い世代でもファッションとして着物を着たいとの声を多く耳にする」と太田店長は語る。女子中高生の利用も目立ち、大学生の中には20~30万円する着物を購入する者も見られるなど、推しキャラクターに合わせたコーディネートとして着物を選ぶ若者が増えているようだ。
同店では、30代以下の顧客が全体の7割弱を占める。若年層が多く集まる店舗として、特にインスタを活用した情報発信が効果を上げている。
第590号(2024/08/25発行)32面