象牙・豹毛皮...無許可買取は違法

検索

「Research」

象牙・豹毛皮...無許可買取は違法

2017年11月09日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

調査 | Research

象牙の取扱いに関して、事業者への風当たりが厳しくなっている。6月2日に規制強化を含む、「種の保存法」改正法案が成立。遅くとも来年6月1日には改正法が施行され、同法に基づく規制に従う義務が生じる。施行前に既に引き締めは始まっている模様で、象牙の買取販売等を行う業者は注意が必要だ。

アフリカゾウアフリカゾウ

罰金最大1億円のおそれも

法改正後は、象牙取扱いが届出制から「登録制」に変わる(表1参照)。事業者登録をせずに取扱った場合の罰則も強化される。

事業で象牙の譲渡し等(販売を含む)を行う場合、「特定国際種事業者(法改正後は特別国際種事業者に変更)」を取得する必要があり、現行法では国に届出を行えば承認される。しかし改正後は書類提出等に加え審査が加わり、諸要件をクリアしなければ象牙の取扱いを行えない。経済産業省・製造産業局生活製品課は、「買い取った象牙を売る場合は必要になる。未取得の事業者は必ず取得してほしい」と話す。既に事業者登録済みの場合は、引き続き象牙の取扱いを行える。

表1.特定国際種事業者、届出制と登録制の違い

届出制(従来)
国に届け出を行えば拒否されず、事業登録を行える

登録制(今後)
様々な書類提出を求められたり、欠格要件等の審査が入る。これに該当すると事業登録を行えない。(禁固刑以上の刑事罰や罰金刑に処せられてから、5年以上経過しない者、事業登録取消処分を受けてから5年以上経過しない者、等)

一本牙は指定機関での個体登録必須

リユース店や買取業者への買取りで、象牙の一本牙(全形を有するもの)を依頼されるケースがある。これを扱う場合、 〝象牙の個体登録〟が必須だ。環境省・経産省指定の認定機関「(財)自然環境研究センター」発行の登録票を伴った上で売買・譲渡を行わないと違法になる(表2参照)。違反した際の罰金は、法人は最大1億円に引き上げられた。

8月25日には、宝飾品買取りを手掛ける「フローレス」の社長とお客らが、無登録象牙の預かりの疑いで書類送検された。同社は象牙の登録申請を代行した上で買い取っていたが、「無登録の一本牙は、預かるだけでも違法になる」(環境省・自然環境局野生生物課)と言う。

表2.象牙譲渡し・売買の適法なやり方(概略)

1.一本牙(全形を有するもの。彫り物でも牙の形状を有するものはこれに該当)の象牙が、本物かどうか確認する
2.合法的に取得した象牙であることを確認する
3.自然環境研究センターに、登録申請を行う(5つの書類が必要。詳細は同センターHPを参照)
4.登録票の交付を受ける。譲渡し・売買はこの登録票を伴った上で行う
※お客から象牙の買取依頼が入った際は、上記手順で登録済みの象牙かどうか確認する。未登録であれば、必ずお客自身に登録してもらうこと。買取業者が登録代行等の名目で預かるだけで違法となり、懲役や罰金を課せられるおそれがある
※ただし、カットピース・印材・アクセサリーなど、牙の全形を有さないものは登録の対象外。

有料会員登録で記事全文がお読みいただけます

426号(2017/10/25発行)20面

Page top
閉じる