第70回 中古マーケットへ新iPhone入荷減
8とXの約2ヵ月ずれ発売の影響で
昨年11月3日に発売された新iPhoneシリーズ「iPhone X」。9月22日発売された「iPhone 8」とともに、これらの新モデルが新旧iPhoneの買取相場にどのような影響を与えたのかをまとめました。
(iPhoneX発売前後の買取相場移り変わり)
※当社調べ。条件:docome、一番小さい容量、美品(税込)
<傾向>
・Xは発売後から下落しているが、8とは約2万円の差がある
・8、8Plusは、X発売前から下がり始め、3ヵ月で約1万円(20%)下がった
・7、6Sは、3ヵ月で約1万円値下がりしている
・Plusシリーズは比較的値下がりが少ない
<影響>
やはり、新iPhone発売が旧シリーズの買取相場=販売相場の下落に影響を与えました。X発売後1ヵ月半くらい経つとある程度相場は安定しています。
旧シリーズに関しては、新シリーズ発売1ヵ月前に売りさばいて、発売後に仕入れ強化するのが一番利益を取れるやり方でしょう。
新iPhoneに関しては、例年よりも中古マーケットに入荷する数が少ないような印象を受けます。理由としては、昨年発売された8シリーズとXは約2ヵ月ずれて発売された影響で以下の状況が起こり、市場に流通されていないと推察しています。
・X購入待ちで8は一時期販売不振
・Xは初期在庫が少なく、販売需要が旺盛な時に共有が追い付いていなかったため、販売ロスが起きた
<将来予測>
次の相場変動時期は、2月の中国の春節前。日本のiPhone相場は香港相場にかなり影響されるためです。中国国内では、Androidに押されて、iPhone自体の需要が低下しているとのうわさも聞きます。中古スマホ業界の花形iPhone、引き続き相場をウォッチした方がよさそうです。
携帯市場
粟津 浜一 代表取締役
<Profile>
1979年12月岐阜県生まれ。2004年筑波大学大学院修士課程修了。ブラザー工業株式会社を経て、2009年株式会社アワーズを設立、2017年に株式会社携帯市場へ社名変更。中古携帯市場動向セミナーを数回開催。これまでに500以上店舗に中古携帯事業を展開、コンサルを行っている。
433号(2018/02/10発行)13面