医薬品の過剰在庫サイト運営 会員薬局は3000超
2018年09月12日
医薬品の過剰在庫サイト運営
会員薬局は3000超
「カバヤ薬局」を8店展開するカバヤ(神奈川県川崎市)の関連会社で、医療用医薬品の過剰在庫品に特化した流通サイトを運営するのがリバイバルドラッグだ。現在会員数は3000を超え、年間取引が約6万品目、流通総額は約2・3億円を上げている。サイト名は「リバイバルドラック」で、現在の会員の95%が薬局。
▲リバイバルドラッグのサイト
売り手は自店で余った薬を着払いで同社に送り、検品を経て、出品可能な薬のみサイト上に掲載される。買い手が現れ、取引成立となった際に売値から手数料が引かれた金額が振り込まれる仕組み。値付けは、同社が薬の使用期限から判断し行う。現在1日約300品目が出品されている。同社が注目したのが、「国内の薬局で年間100億円分が廃棄されているという薬のデッドストック」(蒲谷亘代表)。
▲蒲谷亘 代表
例えば製薬会社は通常、錠剤薬なら100錠をまとめて包装し箱売りする 。しかし投薬が1日3回ならば100錠では割り切れないため、処方する薬局にデッドストックが生じる訳だ。また、製薬会社による包装デザイン変更も原因 の1つ。患者の誤飲防止と分かりやすさを考慮した上で、薬局が新旧デザインを混ぜて患者に処方することは滅多にない。すると旧デザインの薬が余ってしまう。
薬剤師法21条によれば、薬局は処方箋を通し患者から求められた薬が在庫切れの場合でも、提供不可が許されていない。元来、薬局が近隣地域に密集して存在するのは「不足した薬を融通しあうため」(蒲谷代表)だと話す。
第447号(2018/09/10発行)3面