買取専門店を22店運営し、年商23億円を上げるベストライフ(大阪府大阪市)。同社の千歳烏山店には、お客から絶対的信頼を寄せられるスタッフがいる。それが買取アドバイザーとして勤務するアルバイトの假屋仁美さんだ。
ベストライフ
假屋仁美(かりや ひとみ)さん
38歳。人材紹介会社で働いていたが、30歳を前に「一度仕事を辞め、色々なことにチャレンジしたい」と、ネイルスクールに入学。卒業後は自宅でネイルサロンを開く。ご主人の転勤で福岡に行くことになりネイルサロンをクローズ。2年後東京に戻ってきたのを機会に35歳でベストライフにアルバイトとして入社。千歳烏山店に勤務する。その後、働きながら「ジュエリーアドバイザー」を取得。買取アドバイザーとして接客に当たっている。現在、最高級バッグや時計の査定もできるようにと、勉強中。
ベストライフ千歳烏山店の買取アドバイザーである假屋仁美さんはお客から「命の恩人」と呼ばれたことがある。
ある日、男性客から電話がかかってきた。いわゆる「押し買い」に遭い、金の喜平ネックレスを安く買い取られてしまったと言う。假屋さんは警察や消費生活センターに相談するようにアドバイス。悪徳業者におびえていたところ、無事クーリングオフすることができて感謝された。その後、男性客はその喜平ネックレスを持って来店してくれた。ベストライフが押し買いされた金額の倍近い金額で買い取ると感動し、男性客はリピーターになり、切手や貴金属などを持ってきてくれるようになったと言う。
買取依頼でなくても假屋さんは親切に対応する。その結果、信頼を寄せたお客が集まってくる。
緊張感和らげるコミュニケーション
査定の時、假屋さんは手袋をはめ「失礼します。拝見しますね」「こちら開けてもよいですか」と一つ一つ声をかけていく。「おきれいにお使いですね」「珍しいお品物ですね」と緊張を和らげるようなコミュニケーションを心がけている。
「お客様が入ってこられた時には『いらっしゃいませ』と素直な感謝の気持ちを持って声をかけています。最初の印象を大切に、気軽に入っていただける雰囲気をつくるようにしています」
電話のときもスマイル
電話の問合せにも、顔は見えないけれども口角を上げて笑顔で対応する
社内メイクレッスンで爽やかに
●ヘアスタイル ... 社内でメイクレッスンも行っている同社。どんなお客にも受け入れられるよう、ナチュラルメイクを社内で定義している。ヘアスタイルは知的に見えるよう、男女ともおでこを出す。また長い場合はキャビンアテンダントのようにまとめ髪にする
●アイメイク ... アイシャドウはピンク系
●リップ ... リップもベージュピンクに
●制服 ... きっちりとした服装で接客するため、同店では制服を規定している
●ネイル ... 商品を傷つける恐れもあることからネイルは禁止。指輪も結婚指輪以外はNG。時計もしてはいけない。「年齢的に若いスタッフが多い会社なので、外見からも信頼していただけるように努力しています」と関東エリアを統括する中島直輝スーパーバイザー。若いスタッフが年齢にそぐわない高額な時計をしていたり、お客が持ってきた商品と店舗スタッフがしている時計がかぶったりといったことを避ける意味がある
会社概要
ベストライフ(大阪府大阪市)
本社:設立/2004年9月
代表/岩本元熙
年商/23億2700万円
備考/ベストライフ千歳烏山店の年商
代表取締役:岩瀬智芳
従業員:180名(2016年4月、パート・アルバイト含む)は約1億円。スタッフ数は店長1名、アルバイト2名
385号(2016/02/10発行) 9面