【Technology】アポロクリエイト、撮影後4秒で切り抜く高速技術
2019年02月16日
アポロクリエイトHD(東京都品川区)はEC販売事業者向けに商品画像を自動撮影できる機材を販売している。フォトオートメーションと呼ばれる技術で、撮影から鮮明な画像処理までを専用ソフト内で施すことができる。導入企業は延べ400社。1割が中古品をネット販売する事業者だ。
EC用画像の自動撮影・加工
撮影後4秒で切り抜く高速技術
「10年間抱えていた悩みを払拭できました...ある導入企業様から頂いた言葉です」(鳴海千尋社)EC市場が活況を呈する中、商品写真を自動撮影する「フォトオートメーション」を備えた機材を販売するのがアポロクリエイトHDだ。
ポーランドのORBITVU社が生産する「ALPHA」シリーズの日本での独占販売権を同社が取得している。販売開始は昨年5月。冒頭コメントにあった導入企業とは、実店とECでブランド品の買取販売を行うリユース業者。約3ヵ月前に導入し始めたという。アポロクリエイトHDによると、その導入企業は従来、自社スタッフがデジタルカメラで撮影していた。
案の定、撮影者の技量により仕上がりが異なり画像が霞むこともしばしば。それでも効率を考えれば画像1点ずつ処理するのに充分な時間・人員を割けず、妥協せざるを得なかった。そんな中、ALPHAが救世主となった。
1分で数カット撮影 5度刻みで角度指定
改めて,ALPHAを説明しよう、カメラと繋げたPCに専用ソフトを入れ込み、全てPCから撮影操作を行う。
機種により異なるが、例えば衣類なら平置きで、雑貨なら筐体の中に置くだけで、1分以内に数カットを収められる。5度刻みで複数のアングルを設定でき、ターンテーブル上で被写体を回しながら撮っていく。
実はアポロクリエイトHDがフォトオートメーションを扱うのはALPHAが初めてでない。同社は2010年に米国のオートリー社が生産する「フォトシミリ」の国内独占販売を始めていた。ALPHAがフォトシミリと比べ圧倒的に優れていると鳴海社長が評価するのが、撮影後の加工スピード。撮影後一瞬で背景を切り抜く作業が完了する。時間は約4秒。これはフォトシミリのものと比べ約5分の1だ。そのほか色味や画角を自由に調整し、出品用にサイズ設定すればファイルを出力できる。フォトショップなどを使わずとも後処理をソフト内で完結できる。
テンプレ機能で素人でも楽々操作
鳴海社長は「1周間程度触れれば慣れるで しょう」と話す。また、テンプレート機能がソフトの中に組み込まれており、例えば熟練者が一度設定した諸条件を保持したままであれば、素人でも撮影できる。「衣類なら1日100着は撮影可能。ある中古アパレル業者では社内に17台導入し1日2000着撮影しているようです」(同社長)
アポロクリエイトHDはALPHAとフォトシミリを累計400社以上に導入してきた。中には大手アパレルも名を連ねる。また、1割程が中古品のEC販売を行う業者だ。「当社は年1億円ずつ売上を伸ばし2019年3月期の見込みが6億円程。そのほとんどをALPHAの販売で占めている」(同社長)ALPHAシリーズは一括購入のほか、リースも対応。月額費は3万円~。
第457号(2019/02/10発行)8面