コメ兵 AIでブランド品鑑定、今春本店に試験導入
2019年02月28日
中古ブランド最大手のコメ兵(愛知県名古屋市)が真贋にAIを導入することを14日発表、今年春にも店舗に試験的に導入する。ルイ・ヴィトンの革製品から始め、順次対象を拡大していく考えだ。真贋力に定評のある同社がAI真贋を開発・導入することは、話題を呼びそうだ。
AIでブランド品鑑定
今春本店に試験導入
AI真贋の対象となるブランドはルイ・ヴィトンの一部。アイテムはバッグ、財布、小物。その鑑定精度は同社によると97%と言う。店舗導入時には更に高い精度の向上を図る。真贋の方法は、マイクロスコープを用いて商品の数ヵ所を撮影。10秒程度で判定が可能という。ただ、同社では人力での真贋においてもバッグであれば1点当たり1分程度で判定しており、時間やコスト削減効果はさほどないと見られる。
それでも同社がAI真贋の開発に取り組む狙いのひとつに推進している海外展開がある。「現地の方に真贋を教えていくよりも、ツールを開発した方が展開をスピーディに行える。また、今後偽造品の判別はより困難になっていくと考えられる。偽造品の流通を阻止できることはリユース業界にとって信頼性を高める
ことにつながる」と山内裕也経営企画部長は話す。同社では2018年4月からAI真贋の開発に着手。1年足らずで実用化にこぎつけた。
同社では年間140万点の商品を買い取っており、その豊富な鑑定データや定評ある真贋力等を活用することで実現した。今年春には買取業務に活用するツールとして店舗への導入を計画。愛知県名古屋市の本店本館で試験導入される。「店舗スタッフの使い勝手などを確かめ、改良を図りたい。他店舗への導入は未定だが、早期に導入していきたい」(同氏)今後ブランドバッグ類は、シャネルやエルメル、コーチ、グッチ、プラダをカバーしていく考え。また、バッグ類以外の商材も視野に入れている。中古ブランド品のAI真贋は、一昨年8月に大黒屋HDが導入を発表。また昨年には米国でAI真贋ツールを提供するエントルピーが日本に上陸したことで話題となった。
第458号(2019/02/25発行)1面