《新たな取り組み》井草ワニ園、古本も売るグラノーラ店
2019年06月19日
井草ワニ園
~古本も売るグラノーラ店 滞在時間と客単価アップに貢献~
東京・上井草にある井草ワニ園(東京都杉並区)は、自家製グラノーラと古本の販売を行う店。店主の小林功氏は2013年にグラノーラ専門店をオープン。2016年12月、上井草への移転で店舗面積が5坪から10坪へ広がり、スペースを活かそうと古本の販売を開始した。現在では古本販売が売上の2割程度を占め、客の滞在時間が延びるとともに客単価のアップにも貢献している。
子供向け絵本を中心に、料理、文学、美術などのジャンルの本を揃える。販売価格は500円前後が中心。知り合いの古本屋から仕入れるほか、店主自身が街で見つけた作品を並べることも。小林氏の趣味は古着やレコード収集。そのこともあって古本にも親しみを感じたという。また、グラノーラを購入してくれる常連は、小さな子どもを持つお母さん層が多かった。そのため絵本を揃えることから始めたそうだ。近隣に書店がないことや、杉並区や近隣の世田谷区では子供が増えていることも理由だ。インテリアとしての古本が、グラノーラ専門店にマッチしたという側面もある。
「移転から2年半ほどが経ち、グラノーラを買いに来てくださるお客さんだけでなく、純粋に古本屋として訪れてくれる方々もいる。古本の販売だけで新規参入するのは簡単ではない。ゲストを呼んだ定期的なイベントを開催したり、お酒を飲みながら本を読める店など、古本+αの業態が増えている。これからも増加傾向で進んでいくのではないか」(小林氏)。
第465号(2019/06/10発行)12面