リクラ、着物を再利用した素材が注目 直島で初イベント 2,100人が来場
2019年09月16日
昨年10月に立ち上がったリクラ(石川県金沢市)が提供する使われなくなった着物から出来た素材「キモノヤーン」が注目を集めている。7月13日〜28日にかけて直島で催された「KIMONO YARN ×」に計2,108人の来場者が訪れた。
同素材は着物に由来している。業者のワゴンセールなどから安価で購入、もしくは支援者から使用済みの着物を無償で提供してもらうなどの方法で素材を仕入れ、専門の工場での加工を経て、アーティストや作家に編み糸として販売する。ヤーンは蘭語で「糸」の意味だ。
同社は催事に絡めてキモノヤーンをアピールしている。香川県の直島で古民家ギャラリーを貸切って開かれたイベントでは、アイアン(鉄)アートとコラボしたり天井から床に同素材を垂らすなどして、多くの観光客の関心を集めた。来場者の中には撮影した写真をインスタ上に投稿する人もいた。
現状で認知度に課題を抱く同社は、今後海外での企画も検討する。着物という日本ならではの製品を扱うことが世界からの関心を集めると判断した。同イベント来場者の内7割が外国人で、海外需要への期待は高い。
第471号(2019/09/10発行)6面