トランク、引越時に生じた不要品をフリマアプリ「ラクマ」に代行出品
2019年12月10日
引越時に生じた不要品をフリマアプリ「ラクマ」(運営:楽天・東京都世田谷区)に出品してもらえるサービス「フリマ引越」が誕生した。宅配型収納サービス「カラエト」を運営するトランク(同渋谷区)が、その代行を担う。楽天とトランク、また引越シェアサービス「ハイ!ムーブ」を運営するGLIDE(同新宿区)による連携の下、11月25日よりサービスを提供している。
左からGLIDE荒木孝博社長、トランク松㟢早人社長、楽天の土屋信博シニアマネージャー
3社は本連携を通し循環型社会の形成を図る。特に楽天は、不要品の顕在化が高まる引越シーンをフックに、経産省が発表しているリユースの潜在市場7兆円を取込む考えだ。
利用者はハイ!ムーブから引越を申込む場合に、フリマ引越を申込める。トランクから送られた段ボールに不要品を梱包し返送すれば、トランクがアイテムを写真撮影しラクマへ出品。売れた際に880円の代行送料と、売上から代行送料を除いた金額に30%を掛けた「代行手数料」を引いた金額が利用者に還元される。
フリマ引越のイメージ
トランクは2016年にカラエト(旧名称:トランク)を開始。自社倉庫を持たず国内各所の遊休倉庫を活用している。利用者が今使わない私物を単品管理しており、利用者はアプリ上で預けている私物を、トランクが撮影した画像を通し確認できる。一部利用者の間では、その画像を他社フリマモールに出品する際に流用されていた。現在カラエトの利用者数は非開示。昨年12月時点で2万人程を有していた。カラエトにも利用者間で売買できるフリマモールがあり、取引数も伸びている。だがフリマ引越に、ラクマを選んだことに対してトランクの松﨑早人社長は、「当社はまだ利用者を多く抱えられておらず、ブランド力の高いラクマとの連携を選んだ」と話す。
ラクマは業界最安値の販売手数料3.5%を強みとする。今年7月にアプリDLは2000万を突破。ファッション商材などの取引が盛んだ。GLIDEのハイ!ムーブは今年1月にリリース。人材不足や働き方改革が影響し、引越代の値上げが問題視されている中、同サービスでは引越トラックの空きスペースを活用し、一般相場より3〜4割安く引越できる。同社によれば、引越業者が不要品買取にも同時対応できるサービスの需要は高いものと見て、本連携で利便性向上を図る。
第477号(2019/12/10発行)1面