中野紙の会、30年以上続く古書市場「売れ筋は版画や古地図や初版本」
2020年02月22日
古物市場データ
主催の森下静夫氏
会 場 東京都杉並区高円寺南4-44-19氷川神社内
開催日 第2・第4木曜日
時 間 8:30~14:00ごろ
種 類 古本、美術品
「はい!これで!すべて500円!」と振り手の森下静夫氏はやや高めの通る声で皆に呼びかけると、参加者の2、3人が落ち着いた声で「1000円」「2000円」と応じる。中野紙の会は、道具市や宝石市と異なり競りが過熱することなく淡々とした調子で進行する。
だが終盤に差し掛かると雰囲気が変わった。森下氏が巻物を広げるとパイプ椅子に座っていた参加者が皆その周りに円を描くように集まった。「これは、いいやつだね」と参加者の中年女性はつぶやく。数千円での入札から始まった巻物は結局3万円近くまで吊り上がった。
中野紙の会は15年前にここへ移転しておりそれ以前を含めると計30数年続く古書市場だ。氷川神社の中にある40畳ほどの和室が会場となっており、参加者はみかんやお茶や駄菓子を手にして、雰囲気はさながら地域の自治組織のように和気あいあいとしている。古書だけでなく、水墨画やキャンディーズやピンクレディなどのアイドルの生写真、松本や信濃など地方の古い地図なども出品される。
会場は右手の建物で、氷川神社の境内にある
「紙であればなんでも扱うよ。今の売れ筋は版画や古地図や初版本。過去には宮家の晩餐会の献立表、特撮映画のポスター、昔の業界紙なんかも出品されたね」と森下氏は説明する。
「うちの良さは駅から近いことだよ。高円寺駅から徒歩1分ね。都内でこんなに立地の良い市場はないよ」(同氏)
版画が売れ筋だという
平均出来高:300万~500万円
平均出品数:2000品
平均参加社数:30社
参加企業内訳:都内業者が8割、他関東一円が2割
登録企業数:60社
平均年齢:50代
入会金:1万円
参加費:2000円
売り歩:7%
買い歩:0%
成約率:90%
第481号(2020/2/10発行)14面