エクミス、TV通販を通じ新たな客層へ宝石のリペア、リモデルを提案
2020年04月05日
知っておきたいリペア
リユースをとりまく環境で、今「リペア」の存在感が高まっている。注目すべき企業を紹介する。
上野の店頭でもリモデルを提案する
ジュエリー修理を行う『エクミス(東京都台東区)』では、従来の出張営業に加え、TV通販番組を利用して新たな客層の獲得を目指している。地方や島嶼部の高齢者層へのアプローチが狙いだ。
エクミスは全国の宝石店や呉服店にスタッフを派遣し、来店客に対して宝石のリペア、リモデルを提案するスタイルで30年以上ビジネスを展開してきた。現在は月平均2000件の修理を受け付け、10億円程度を売り上げる。「例えば立て爪(台座に宝石を立てて取り付けたもの)の結婚指輪は見栄えしますが、引っかかるなど日常使いが大変。それを使いやすくしませんか、といった提案をします」(山田悟社長)
山田 悟社長
かつては呉服店での大規模催事を多く開催していたが、近年は宝飾店にて3日間のイベントを開催するのが中心。開催店の店頭と、ウェブ告知、タウン誌で集客するのが主流だ。
また昨今、出張続きとなるスタッフの負担減を目指し、TV通販で修理の宣伝を開始した。19年春に、0.3カラットのダイヤをネックレスにリモデルすることをTV通販を通じて提案。1時間の宣伝で毎月の問合せ件数のおよそ4分の1にあたる550件の反響があったという。
山田社長は「TV通販顧客の平均年齢は70代、1000万人にアプローチできると聞き、自社にぴったりだと感じた」と振り返る。地方や島嶼部からの依頼が多くあり、一定の手応えはあったが利幅が薄いという課題を残した。今春からTV通販を再開予定で、利益率改善とtoC向け知名度向上の両立を目指す構えだ。
第484号(2020/3/25発行)15面