五十君商店、買取店向けに「開業キット」販売 工具やルーペ等一式30万円
2020年04月05日
知っておきたいリペア
リユースをとりまく環境で、今「リペア」の存在感が高まっている。注目すべき企業を紹介する。
落ち着いた外観の五十君商店
90年にわたり時計部品の販売や修理を手掛ける『五十君商店(読み:いぎみしょうてん、東京都台東区)』では、買取店向けに時計修理や査定を行うための「開業キット」が堅調に売れている。
〈開業キットの中身〉
・秤
・比重計
・工具
・ルーペなど
近年、家電量販店の来客減や、回転率を重視するリユース事業者の増加により、店頭での修理事業は足踏み状態という。一方で買取事業者の新規参入増加に伴い、同社の開業キットは好調だ。秤や比重計、工具やルーペなど、査定や修理用品をセットにして30万円程度で販売。年間30点前後が売れる。
同社は時計部品の卸業に始まり、家電量販店などに時計修理コーナーを展開するなどして成長。現在は月間約8000本の時計修理を手掛ける。また大手リユース事業者との提携も数多く行っており、買取品のオーバーホールを手がけるなど、年間12億円程度を売り上げる。
また18年からは、新たに個人からの修理依頼を受け付けるtoC事業を開始した。集客はほとんどネットで行っており、月500本程度の依頼を受け付けている。
「丁寧な接客は求められるが、業者間の修理に比べ、キャンセル率が低い。修理代が3万円程度になっても、なぜこの価格なのか説明をすれば納得していただける」(杉村聡 統括部長)
第484号(2020/3/25発行)15面