リサイクル通信が独自にリユース業界の市場規模推計を行ったところ、2018年の市場規模はついに2兆円を超えた。調査対象とした2009年以降9年連続での拡大。フリマアプリや企業のEC販売が市場を押し上げている。
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2018年のリユース市場規模は前年比9.8%増の2兆1880億円。前年の2ケタ成長には届かなかったものの、9年連続で成長を続けている。販売経路別では、店舗販売が前年比0.4%増と横ばいで推移。ただ、事業者のネット販売が、14.8%増と伸びたため、BtoC市場で見ると4.2%増と前年の成長率をわずかに上回った。
市場を大きく押し上げているのは、フリマアプリの存在だ。ネット販売のCtoCセグメントは、20.8%増の8343億円に拡大。前年よりも成長率は鈍化したものの、依然高い成長率を維持している。ネット販売全体では、1兆2152億円と昨年に店頭販売を上回り、リユース市場の半分以上を占める。今後もネット分野を主体に市場は拡大していくことになりそうだ。
今後のリユース業界の市場規模は2020年には、2兆5000億円、2022年には約3兆円規模に拡大すると予測。新型コロナウイルスの影響で伸び悩む恐れがあるものの、中期的には拡大していく見通しだ。また、2021年にはCtoC市場規模がBtoCを上回る見込みで、CtoCが主体の市場になっていく可能性もある。
今後、人口総数は減少していくものの、中古品の売買を行うリユース経験者の人口は拡大していく見通し。特にこれまで利用率が低かった中高齢層の広がりが期待される。そのためには、取引の安心・安全面の改善が求められるとともに、利便性の向上が必要だ。
一方、若年層を中心にリセールバリュー(再販価値)を意識した購買行動が広がっている点も見過ごせない。売ることを前提とした買い方が浸透していけば、新品の購買行動にも大きな変化が生まれていきそうだ。また、再販を意識することで、モノを大事に使う日本の文化も見直されることにつながる。
海外で日本の中古品はメイド・イン・ジャパンだけでなく、ユーズド・イン・ジャパンと状態の良さが高く評価されている。国内においても状態の良い商品が数多く流通すれば、それだけ二次流通市場の拡大を後押しすることなりそうだ。
リユース市場規模や市場動向等の詳細データは、「中古市場データブック2020」でご覧ください。
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第496号(2020/9/25発行)13面