古本市場約100店を展開し約290億円売り上げるテイツー(岡山県岡山市)。同社はもともと、ゲーム商材に強い会社だ。タイトル不足で苦しい市況の中、どう活路を見出していくのか。その答えが「トレカ」と「プラットフォーム化」だ。「トレカの売上高は前年比157%と急拡大している」と、寺田勝宏社長は話す。
――テイツーの主力商材と言えばゲームです。売上構成比はどのくらいですか。
売上げの半分を超えるくらいです。新品がその内65%程を占めていますが、利益額で言うと中古の方が上回っていますね。
----パッケージゲームの市場は縮小していますよね。どう受け止めていますか?
ゲーム市場はピーク時には7000億円以上ありましたが、今はその半分以下の3000億円程度です。また、人気タイトルが発売されるかどうかに売れ行きを左右され自社でリスクをコントロールしづらいので、依存度は下げていきたいと思っています。 とは言え、縮小したとはいっても3000億円あるわけですから、主力商材としてきっちりやっていくことに変わりはありません。いい風が吹いた時にはエクストラ(臨時)の利益になります。
スキャンするだけで トレカ査定ができる
----依存度を下げるということは、他の商材の比率を上げるということですよね。中でもトレカが好調のようですが。
トレカ売り場の「トレカパーク」に力を入れ始めて4年目になりました。伸びすぎるくらい伸びていて、直営全100店への配置が1年半くらい前に完了して、その後1年でトレカの売上高は前年比157%で伸びました。中古のみで見ると182・2%の伸びです。
----勢いがありますね。なぜ伸ばせたんでしょう。
個人店と大手の弱点のスキマに入ることができたのがひとつでしょう。 嗜好性の高い商品なので、これまでうまくいっている店っていうのは、すごく詳しい人が在籍しているマニアックな個人店でした。しかし、こういう店は多店舗展開が苦手。 一方の大手はJANコードがついていなくて属人性が高いせいで管理ができず導入が難しかった。テイツーは、パート・アルバイトさんでも一定の勉強をすれば買取り販売できる仕組みをつくってこれをクリアしました。
----どうやって実現したんですか。
スキャナでトレカを読み込むだけでカードを特定し価格査定ができるシステムを開発しました。ゲームの売買で培った、データ分析のノウハウとか物流網とかセットにすれば、これは他社に負けないなと当初から自信がありました。
屋号:古本市場(ふるほんいちば)、トレカパーク等
創業:1989年10月
設立:1990年4月
代表者:代表取締役社長 寺田勝宏
資本金:11億6,550万円(2016年2月29日現在)
事業内容:1.古本、家庭用ゲームソフト・ハード、トレーディングカード、CD、DVD等の販売および買取、CD・DVD等のレンタル、FamilyMart(コンビニエンスストア)の運営
2.インターネットサイト「古本市場オンライン」の運営
所在地 本社:岡山県岡山市北区今村650番111
東京本部:東京都品川区西五反田7丁目1番1号住友五反田ビル5F・6F
従業員数 正社員:287名
パート・アルバイト:1,375名
合計1,662名(2016年2月29日現在)
400号(2016/09/25発行)7面