~生前整理ダイアリー~
思い手に寄りそって Story16
高齢化が進み、老後をより前向きに生きるための整理収納ニーズが高まっています。今回は生前整理によって、軽度認知障害の女性の自立支援につながったエピソードをお届けします。
comfy livingのパンフレット。右が弘瀨氏
身体の変化や心理面に配慮し
生前整理で住みやすさ実現
生前整理というと、老人ホームに入るため、あるいは子供に迷惑をかけないために、家の中の不要な物を捨てることというイメージがある。だが、comfy living(神奈川県横浜市)代表の弘瀨美加氏は違う。自身の介護経験や資格取得で学んだ知識、現場で習得した視点から、高齢者の身体の変化や心理面にも配慮した整理収納をアドバイスしているのだ。
「長年同じ家に暮らしていると、若い頃に配置した物がそのままになっているケースが少なくありません。私は将来の衰えの進行を予測して物を使いやすい位置に配置したり、時には物が見つけやすいオープン収納にするといった提案をしています」と弘瀨氏。
今年上旬、そんな弘瀨氏のもとへ30代の女性から「実家の母に新しいキッチンをプレゼントしたいので、台所を片付けて欲しい」という依頼があった。
第502号(2020/12/25発行)19面