第9回 ドンドンアップ 代表取締まられ役 僕の話
コケ倒しても、全てのコケはドンドンに通ず
毎日ピンチ、でも倒産はしたことない!?古着で一世を風靡するドンドンアップ(岩手県盛岡市)岡本昭史社長による凄絶ノンフィクション体験記の第9回。
新品衣料でも伝説の店
(前回までのあらすじ:古着ブームに乗って日本でもヴィンテージ古着店をオープン。全米から古着を仕入れ大繁盛していたが、流行はいつしか去り、新品衣料や様々な店を手がけることに...)
古着のブームが終わって会社が潰れる瀬戸際、今度はアメリカからの新品衣料の平行輸入がブームになった。「フー、セーフ...」。同世代の人は馴染みがあるかもしれないけど、ナイキのエアマックスなんかが爆発的に流行っていた頃。僕自身は古着から新品に変化していくことが結構つらかった。ただここで変化できなかったら確実につぶれたナー。
インディアンリバーロード、イエローパラダイスガレージって店名で東京、福島、郡山、盛岡、金沢等で展開してた。一応セレクトショップって感じだったけど、洋服屋の常識では考えられないようなバカバカしいイベントをたくさんやり倒した。
ある時は、真冬の吹雪の中、盛岡を流れる北上川の橋の下で、宝船に改造したボートに福袋を大盛りにした。「伝説の福袋」という旗を掲げ大黒様に扮した僕が釣りをして、橋の上から僕を写メしたら割引、もし魚を釣った瞬間を写メしたら福袋タダ!みたいな企画をやった。橋の上が僕を撮るギャラリーで埋まって、その結果元旦の明け方から数百メートルの行列ができた。
第506号(2021/2/25発行)16面