~生前・遺品整理ダイアリー~
思い手に寄りそって Story21
20年ほど前、『片づけられない女たち』(サリ・ソルデン著)が世界的なベストセラーとなりましたが、今も様々な要因から、ゴミに埋もれるようにして暮らす女性たちは少なくありません。今回はそんな一人の女性のケースをご紹介します。
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御用聞き松
高級マンションがゴミ屋敷化
片付けで社会復帰した女性客
「この状態でどうやって暮らしているんだ!」。御用聞き松(神奈川県川崎市)の松岡信行代表は、年明けに片付けを依頼されたマンショの玄関先で声を失った。現場は都内の閑静な住宅街に建つ高級マンションだったが、ドアの前にもゴミが山のように積まれていた。部屋の匂いがエレベーターに漏れ、管理組合にクレームが殺到したため、オーナーで居住中の50代の女性が知り合いに相談し、松岡代表に話が持ち込まれたのだ。
夫の死契機に精神を病み引き込もりに
「お客様はきちんとした仕事につかれていましたが、ご主人が亡くなられ、暫く精神を病んで引きこもり状態でした。そのうち足が悪くなり、鼻も効かなくなって、環境悪化に鈍感になっていたのでしょう。ゴミの上を歩き、右奥のリビングのソファを生活拠点にしていたと伺いました」と松岡代表。
第512号(2021/5/25発行)19面