最近では当たり前化しつつある、入札制やネットオークションといった古物市場の非対面化。昨年の今頃はまだ運営側も参加者も手探り感がありましたが、コロナ禍の一年で急速に進んだ新しい市場様式は、これからのスタンダードとなりそうですね。
競りの方式が対面から非対面に変わったことで、少しずつ慣例も変わりつつあります。大きなところでいえば、「買い歩銭」が発生する市場が増えつつあることです。これまでは売り歩銭=出品者が売れた分の手数料を支払うのは多くの市場で共通でしたが、買い歩銭=買い手が買った分の手数料を支払うルールを採用している市場は多くありませんでした。
潮目が変わったのは、やはりコロナ禍以降です。「システム投資の回収」と「出品募集の強化」、このあたりが買い歩銭制を敷く古物市場が増えつつある理由と見ています。
第518号(2021/8/25発行)18面