使いかけのコスメ(化粧品)が売れる理由。市場は7年で12倍に拡大
2022年04月29日
口紅やファンデーションといったコスメ(化粧品)の二次流通市場が拡大している。肌に直接触れるものが多く、使いかけの中古品に抵抗感を持ちそうだが、値段の安さは大きな魅力だ。フリマアプリでの取引を中心に、市場規模は拡大傾向。どんな理由で取引が広がっているのか探った。
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コスメ(化粧品)にはどんなものがあるか。ファンデーションといった「ベースメイク」や口紅などの「メイクアップ」、化粧水や乳液などの「スキンケア」の他に、香水やスタイリング剤やハンドクリーム、ネイル用品なども含まれる。
フリマアプリのメルカリがアイスタイルと共同で行った調査によると、コスメ(化粧品)の二次流通市場規模は推計で1555億円にものぼる。メルカリ内での取引も拡大しており、2014年からの7年間で約12.4倍に伸びていると言う。
買取店に持ち込まれるケースも広がっている。香水・化粧品買取専門店「グリーチェ」部門責任者の村上さんは、「カラーものはシーズンごとに新作が発表されるため、コスメ好きの方は気の向くままに買ってしまい、使いきれずに眠ってしまっています」と話す。また、「年齢は30代から50代のほぼ女性、中には段ボールで5〜10箱送ってくる方もいらっしゃいます」(同氏)と話すように、主要顧客は30〜50代が中心となっている。他の買取店から聞いた話もまとめると、定期購入で使いきれないもの、衝動買いなどの過剰購入品や贈答品が中心で、中には美容部員が自爆営業により購入したものや余ったサンプル品、試供品等が持ち込まれることもあるようだ。国内外のブランドコスメが買取りの中心で、プチプラ等の低価格コスメは未使用品が原則、単品での買取りは断る店が多いようだ。
第534号(2022/4/25発行)11面