毎日ピンチ、でも倒産はしたことない!?古着で一世を風靡するドンドンアップ(岩手県盛岡市)岡本昭史社長による凄絶ノンフィクション体験記の第24回。
リセットボタンは死んでも押さない!!
崖っぷちの自分を突き動かすのは
経営者の皆さんは、どこのタイミングで「もう無理だ、あきらめよう」と決断するのでしょうか?僕自身はよくわかりません。スタッフや支払先の、様々な人の顔が無数に頭によぎり、今日の、明日の、来週の資金繰りが永遠に頭の中を交錯する。クレジットカードが止まる、Suicaさえも止まる、当然全ての金融機関への返済もストップ。自分のことや家族のことなんて、当たり前に優先順位最下位。借りられるところからは全て借り、自分の生命保険もとっくのとうに担保に入ってる。ソリャー10年間近く毎月1億円の資金ショートを続けてたら、そうなりますよね?
万事休す。残された道は『自己破産』のみ...。一息呼吸するごとに惨めさが肺に染み込んで行く感じ。何も考えられなくなり、体にも全く力が入らない。指さえも動かすのが億劫になってくる。死んだら楽だろうなっていう思いと、そんなこと死んでも考えるなっていう感情の戦いもある。あがき、もがき続け、それでも、もうこれまでってタイミングはある。
本物の強さってなんだ?絶望、悶絶の苦しみの中で逃げず、自分にも他人にも嘘をつかず、思いやりを忘れない人間?ハードル高ケー。
第536号(2022/5/25発行)22面