iPhoneはハイエンドに属する処理能力の高いスマホだが、新モデルが登場する度価格が高くなっている。そのため、iPhoneが欲しいが新品には手が出ないという消費者は世界に大勢いる。フィンランドのヘルシンキを拠点とするSwappieは、そのような消費者に救いの手を差し伸べ、急成長を遂げているスタートアップ企業だ。
フィンランドSwappie(スワッピー)
ヨーロッパで477%の急成長を達成
ヨーロッパ15ヵ国で展開
2021年の売上高は前年比2倍に
従業員は6年間で1300名に増加
Swappie(スワッピー)はiPhoneを再生・再販するオンラインマーケットプレイスをヨーロッパ15ヵ国で展開している。LONDON LOVERS TECH社によれば、"CAGR(年平均成長率)477%を記録し、ヨーロッパで最も急成長している"。2020年の売上高は9,800万ユーロ(1億7,648万ドル)で、2021年の売上高は2倍になった。従業員も6年間で約1300人となり、就職先としてヘルシンキで最も人気のあるスタートアップ企業に名を連ねている。
起業の発想はオンライン詐欺体験
本物の中古スマホの必要性実感
Swappieは2016年、フィンランドのAalto University(アールト大学)の2人の卒業生、SamiMarttinen(サム・マルティネン)氏とJiri Heinonen(ジリ・ヘイノネン)氏によって設立された。共同創業者兼CEOのマルティネン氏は、Swappieは自身がインターネット詐欺の餌食になったことへの欲求不満から生まれたと説明している。彼はオンラインマーケットプレイスから中古のスマホを購入したが、それは信用詐欺を働く一味が販売したものだった。後に警察からそのような詐欺がどれほど横行しているかを知らされたマルティネン氏は、本物の高品質に再生されたスマホの必要性を痛感し、Swappieのアイデアを生み出した。
第540号(2022/7/25発行)20面