ドリームファクトリー(大阪府大阪市)、ゴールドプラザ事業部営業統括の川崎拓さんは、7年前のある女性への接客をきっかけに「買取成約しなくてはならない」という考えを改めたそうだ。高額で買い取ってあげることより、「確かな情報」を提供してあげることが第一と考え、時には他店の紹介さえしてしまう。その親身さが受け入れられ、結果的に常連客の獲得につながっているというのだ。
"2人掛り"で接客 「美容室」から着想
他店の紹介いとわず
川崎 拓さん
川崎さんが「銀座本店」で、ある50代女性を接客した時のこと。「他社で買い取ってもらおうと思ったが、(鑑定士の)態度がイマイチだった」(女性)と、ジュエリーがどっさり持ち込まれたことがあった。買取金額にして数百万円。結果的に、自店で成約となった。
重要なのは2回目の時だった。「家にある衣類や家電も見てほしい」(女性)。こう相談されたが、貴金属やブランド品を得意とする同社にとってメインではない商材。買い取ってあげることが無理ではなかったが、川崎さんは敢えて他社の名前を出してみた。女性は川崎さんの提案を受け、他社のリユース店に持ち込み、そこでの買取金額に満足したという。女性とはその後も継続して、買取相談の電話を寄せてくれるほどの間柄となった。
第554号(2023/02/25発行)10面