中小中古工具店、強みを磨いて差別化
2023年04月19日
大手中古工具店が都心部に出店攻勢を強めている。一方で中小規模の中古工具店は大手が真似できない工夫で差別化を進めている。また、ゆくゆくは客層を職人だけではなく一般客にも広げることで、あえて大手と競わない立ち位置を取ろうとする試みもある。
DIYなど新たな客層開拓にも注力
専門化で突出
中古工具店の競争が激しくなっている
約26年にわたって中古工具事業を展開する都元(千葉県成田市)は中古工具店「寄楽屋」を千葉に4店舗展開し、使い手が限られる専門工具も豊富に揃えるなど、取扱品目の幅広さで差別化する。修理工場を併設しており、スタッフの専門知識も強み。
同社の特徴は専門工具の取扱い、修理工場でのメンテナンス、専門知識を踏まえた接客の主に3点だ。専門工具の例を挙げると、エアコン業者・水道業者のみが使う電動工具などで、ニーズが限定的であるため競合店での取扱いは非常に少なく、おのずと差別化につながる。同社は基本的に工具であればなんでも買い取る体制を敷いているため、ニッチな商材もストックできている。「工具を扱う業者さんにとって、とりあえず寄楽屋に行けばなんでもあるし買い取ってもらえる、という認識をいただけている」と武田直哉社長。
中古工具店を16年間営業している工具楽屋くぐらや(愛知県清須市)は同じく中古工具業者である親の会社で修行し、そのうえで独立。そこで培った専門知識を武器に年商約1億円を上げている。
第557号(2023/04/10発行)20面