卒業後、たんすの奥に眠っている学生服。これらがリユース品として注目されている。各地で自治体や個人が運営する「リユース制服サービス」が目立ち始めた。今年立ち上がった2つのサービスを調査してみた。
制服寄贈で母校に還元
「本当に必要としている人の元に、制服を届けたい」。プレジャーワークス(静岡県浜松市)の天野代表はそう話す。同社は今年2月に、制服募金サービス「ユニエコ」を開始した。卒業後に中古制服を同社に送ると、NPO法人や指定した学校に売り上げの一部が寄付される仕組みだ。
「社会貢献を強く打ち出すことで、これまでタンスの肥やしになっていた卒業後の制服を、正しく再活用できれば」(天野代表)
同社では古本やゲームの買取り金を寄付する「BOOK募金」を、3年前から行っている。その支援先の一つ、シングルマザーたちからの「制服も扱ってほしい」という要望がきっかけで、ユニエコは始まった。「新品一式公立で3~5万円、私立だとその1.5~2倍の価格だと言われています。家計への負担があるのは、言うまでもありません」
集まった制服を見てみると、それぞれの学生生活の過ごし方によって、状態は様々だ。「体育会系の部活の子は、日常的に体操服を着ているようで、制服はきれいなことが多い。逆に文化部の子は、制服を着る時間が長く、着用感を感じますかね」。
制服が一定数集まってから、自社サイトで販売していく計画だ。購入者には学生証の提示を義務付け、売主の安心感も確保する。
販売価格は、新品の半額以下を予定する。
390号(2016/04/25発行)13面