古書店主に、思い出に残っている一冊を紹介してもらうリレー連載。第三十三回目は水中書店の今野真さんの紹介で、よみた屋の澄田喜広さんが登場する。
古書店のあるべき姿を追い求めて
古本屋30年
古本屋人生中間報告
(増補改訂版)
高原 坦(ひろし)
私の思い出の一冊は「古本屋30年」です。
著者の高原坦さんは東京都・町田市にあった古書店・高原書店の創業者。私はそこで8年間修行しました。
1985年、高原書店は町田駅近くの大きなビルの1フロアに移転します。当時の古書店は10坪ほどの店がほとんどでしたので、150坪の店舗はありえない広さでした。他にも古書店があまり扱ってこなかった一般書を販売するなど、時代の先駆者的な書店だったと思います。その後、4階建てのビルすべて古書という大型店へと発展しましたが、惜しまれながら2019年に閉店しました。
第578号(2024/02/25発行)23面