「捨て場」を失った不要品、換金して世界を支援
2015年08月05日
災害や人災で支援を待つ命が世界中にある。ヒト・モノ・カネが喫緊に必要だが、リユース業者はこの「カネ」を錬金術のように生み出す機能を持っている業態だ。人々が埋蔵している不要品を、換金し寄付金に変えて届ける。今、この機能を提供する企業が増加している。
「断チャリ」で税金も控除
アパレルマーケットプレイスを運営するwaja (東京都港区)では、断捨離とチャリティーをあわせた造語「断チャリ」を掲げて、ソーシャルビジネス「ファッションチャリティープロジェクト(以下FCP)」を昨年9月にスタートした。
ドナー(出品者)から不要になったブランド品の寄付を募り、それをFCPのネットモールで販売。売上げの全額をNPO法人に寄付するというのが仕組みだ。寄付先は震災支援団体や犬の殺処分削減団体など9団体から、ドナー自身が選択できる。累計900件、2000点以上の商品がよせられ、5月末時点で500万円以上が各団体に寄付された。
同社は善意だけに訴えず、ドナーになることのメリットも消費者に説く。そのひとつが、「寄付金控除制度」だ。商品が売れて売上げが寄付されると、各NPOからドナーに寄付金証明書が届く。ドナーは確定申告の際にこれを申請すれば、寄付金の最大50%の税金が控除され返還される。自分の不要品が1万円で売れれば、最終的にドナーのもとに5000円が戻ってくる計算だ。
「買取りに出すよりも受け取る金額が大きくなることもあり、尚且つ社会貢献もできるんです」(小安光司代表)
wajaにとっても、寄付で集めた幅広いラインナップの商品を販売することで集客ができる。利用者らは、同社が運営するFCP含む3サイトを回遊して買い物を楽しむと言う。
372号(2015/07/25発行)28面