ヴェスティエールが日本撤退
2024年06月25日
フランス発の中古ラグジュアリーファッションを扱うマーケットプレイス「ヴェスティエール・コレクティブ(以下:VC)」が6月14日、日本市場から撤退することが分かった。日本のリユース事業者は今後、VCで直接販売することができなくなる。背景には、資金調達環境の変化や日本国内の相場高騰により、欧州で割安感が薄れている面がありそうだ。
戦略見直しで欧州・北米市場に集中
ヴェスティエール・コレクティブは日本市場からの撤退を決めた
VCは、2009年にフランスで創業した中古ブランド品のマーケットプレイス。販売商品は、同社が1点ずつ真贋を行いユーザーに届けているのが特徴だ。ユニコーン企業として注目を集めており、グッチ等を擁するケリングやソフトバンク等から出資を受けている。2022年3月には米国のトレイジー(Tradesy)を買収し、米国市場での競争力強化を図った。
パリをはじめ、ニューヨーク、ベルリン、香港等にオフィスを構えており、2022年4月には日本法人を設立したばかりだ。
日本撤退を決めたことにより、日本のリユース企業がVCで販売が行えるのは今年7月13日まで。出品企業は、翌日から8月末までの間に香港等の同社の倉庫に保管されている商品の返却手配を行う必要がある。9月1日には日本市場から完全撤退するため、日本国内のバイヤーやセラーのアカウントが削除され、VCを利用できなくなる。
第586号(2024/06/25発行)1面