63店舗のリユース店を構えるワットマン(神奈川県横浜市)が、安定的な成長を見せている。2024年3月期は、リユース単体で前年比107%の49億2400万円を売り上げた。3期連続の前年比増だ。その一方では、リユース業で創出している利益を基に、M&Aを行い事業の多角化も始めている。新品ホビーを扱うEC事業だ。この新事業が上乗せし、会社売上高は前期78億5100万円、今期は84億3000万円を見込む。
事業多角化へ、リスクヘッジ
M&A実施、新品ホビーECに参入
48店の総合リユース店
大型店に絞って出店
ワットマンの主力事業は、電化製品、家具、生活雑貨、ファッションなどを幅広く扱う総合リユース店の運営だ。63店の内訳は、国内が59店、海外が4店。そのうち、総合リユース店が48店舗と大半を占め、自社で2つの屋号を掲げる。家電やパソコン、工具や楽器といった電化製品の取り扱いを中心とする「WATTMANN TECH」と、家電だけではなく古着や家具などの生活関連商材も揃う「WATTMANN STYLE」で、20店ずつ設けている。またブックオフのFCに加盟し、8店を運営する。
国内の店舗は、神奈川県内に集中して出店。売り場面積は300坪が標準だが、近年出店を注力しているのは、400坪以上の売り場がある大型店で、全店の3分の1を占める。本社のある横浜鶴ヶ峰店は、2フロアで1000坪の広さで、WATTMANN TECHとWATTMANN STYLE、ブックオフがある。小型店でも結局、社員を複数人配置する必要があるため、現在は大型店に絞って出店しているという。
「トコトン買取」実現
在庫消化率ほぼ100%
一方で同社は、他社が買取りできないような、商材も扱うことを可能にしている。「トコトン買取」というワードを掲げ、この強みを打ち出す。これを可能にしているのが、買取りから購入までのオペレーションを管理するスピーディーな在庫回転の徹底だ。買取金額、買取件数、買い取った商品の売値、販売後に値下げした売値という4つを組み合わせた、指標を作成しており、業務プロセスに沿って管理している。
第594号(2024/10/25発行)11面