WHY NOT、開店から赤字続きのブランド古着店、年商1億円超える人気店への軌跡
2025年01月15日
名古屋のファッション中心地である栄に店舗を構えるブランド古着店「WHY NOT(ワイノット)」。買取王国(愛知県名古屋市)が手掛ける知られざる業態だ。月商950万円を売上げ今期は初の年間1億円を超える見通しで、2店舗目の出店も視野に入れる。今ではそんな人気店だが、オープン当初から赤字が続き「いつ閉店してもおかしくなかった」と店長の三浦彩さんは振り返る。
コロナ禍を耐え人気店に成長した理由とは?
WHY NOTの店舗外観。奥まっているため、入口に立て看板を並べたことで認知が進んだ
名古屋市栄にあるパルコの東館と西館の間に店を構えるブランド古着店「WHY NOT」。月間500万~800万円を買い取り、その8割がリピーターだ。20坪の売場には、売価在庫で4000万円程度の商品が所狭しと並んでおり、在庫はほぼ全てお店で買い取りしたものだ。お客さんとの距離感が近く、差し入れもよくもらう間柄。柔らかい接客が30~40代のファッション好きから支持を集めている。今でこそ人気店となったが、開店からしばらくは赤字続きだったという。
初月の売上は
わずか32万円
WHY NOTは、2016年3月に開店。メンズ古着に強かった買取王国にとっては、高単価品及びレディース古着の買取りを強化する狙いがあった。ただ、このコンセプトは早々に崩れることとなる。開店した初月の売上はわずか32万円。来店客がゼロの日も珍しくなく、大コケしてしまった。同年5月に立て直しを図るべく着任したのが三浦彩店長だった。「内装だけでも3000万円強かかっていて、とても採算が合わないと思いました」と当時を振り返る。とにかくやれることは何でもやった。お客がお店に来ない理由を思いつく限り、1個1個潰していった。時には街に出てティッシュ配りも行ったが効果はなかった。
スニーカーやキャップも豊富に並ぶ
ブランドごとに分かりやすく陳列
「お客さんの声を聴くと何の店か分かりづらく、入りにくい雰囲気。女性向けのお店なのに、男性客が圧倒的に多かった」と話す。そこで翌年の2017年には当初のコンセプトを諦め、メンズに振ることに。売り場の3割だったメンズを7割まで引き上げた。また、商材も差別化を図った。近隣には大手の競合店もあることから、どの店でも欲しがる「シュプリーム」等の人気のハイブランドは捨て、「メゾン マルジェラ」や「コムデギャルソン」といったデザイナーズブランドや「RANDY(ランディ)」等の新進気鋭の若手ブランド等の買取りを強化した。
第599号(2025/01/10発行)9面